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対象:特許・商標・著作権
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中国におけるコンピュータ・ソフトウェア及びビジネス方法関連発明の特許性
〜審決及び判例に基づく特許性の分析〜(第4回)
河野特許事務所 2010年6月6日 河野 英仁、聶 寧楽
(3)ビジネス方法関連発明に対する審査
BM関連発明もCS関連発明の一種であり同様に審査指南第2 部分第九章に規定する「技術三要素」に基づき特許性の判断が行われる。しかしながら上述した如くBM関連発明の特許性に対する審査手法は審査指南中に明記されておらず,審査意見通知書を受けた場合の対応に苦慮することが多い。
中国知識産権局の審査官には内部資料としてBM関連発明に対する審査資料7)が配布されている。以下では内部審査資料の内容を説明する。
(i)ビジネス方法の定義
審査資料にはビジネス方法とは,「各種商業活動及び事務活動の方法」と定義されており,その具体例として,証券,保険,リース,オークション,広告,サービス,経営管理,行政管理,事務手配等が挙げられている。
ビジネス方法発明はピュアビジネス方法発明と,BM関連発明とに大別される。ここで,ピュアビジネス方法発明とは,コンピュータ等のハードウェアを用いることのない純粋なビジネス方法そのものをいう。一方,BM関連発明とは,コンピュータ及びネットワーク技術を利用してビジネス方法を実施することを主題とする発明特許出願をいう。
(ii)ピュアビジネス方法発明の審査
ピュアビジネス方法発明に係る出願は,単純なビジネス方法を発明の主題とするものであり,専利法第25 条第1 項第(二)に規定する「知的活動の規則と方法」に該当し,専利法の保護対象とはならない。審査資料には以下の具体例が挙げられている。
【具体例1】
【請求項】
ユーザと証券会社は先に株式配当振り込み代理契約書を締結し,契約期間内に,証券会社は各株式配当振り込み締切前にユーザ資料を検査し,条件を満たすユーザに対し自動配当金納付を代行する株式配当振り込み方法において,ユーザ資料の内容検査は以下を含む,
ユーザが当該配当を有するか否か;
ユーザが既に自身で振り込みをしたか否か;
ユーザが途中で当該配当を棄権する書面を申請したか否か;
ユーザが十分資金を有するか否か。
【発明の詳細な説明】
株配当振り込み方法であり,証券会社に,配当振込締切前に,配当振込の必要があるか否かユーザ資料を検査する。
【案件分析】
結論:保護客体とならない。
当該請求項が求める保護範囲は,株配当振り込み方法である。これは人間の行為を通じてビジネス運営を実施するものであり,専利法第25条第1項(二)に規定する「知的活動の規則と方法」に該当し,専利法の保護客体とならない。
(第5回に続く)
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