仮にあなたは、ハウスメーカーの設計者だったとしましょう。クライアントから自社仕様にない要求をを受けたとします。あなたは一生懸命勉強するでしょう。そして2通りの解決策を見つけます。
Aは客の要求に応えるには最善の策、しかしこの策は他社に比べ、自社の工法で行うと割高になってしまう。 Bは自社工法に非常にマッチした策。しかし、法的には問題無いものの他社の工法より性能が劣る。
そこであなたは上司に相談するでしょう。上司の回答は、「自社の利益を守るのは社員として当然だろう。法的に問題ないのなら自社の有利な工法を勧めるべきだ。」
これは何も特別なフィクションではありません。設計と施工を一体で行うと、日常茶飯事的に発生する問題です。
特にローコスト住宅の場合、利益率の高い付加価値をそぎ落とす傾向にありますから設計施工で行うと必ず施工者に有利な結論しか出ません。
ローコスト住宅を志向するなら、設計料は割高でも設計と施工を分離させた方が、建築主にとっては有利です。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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