- 中村 英俊
- 株式会社第一広報パートナーズ 代表取締役 広報コンサルタント
- 東京都
- 広報コンサルタント
対象:広報・PR・IR
- 中村 英俊
- (広報コンサルタント)
- 中村 英俊
- (広報コンサルタント)
先日の広報セミナーにて
先日とある広報セミナーに参加しました。内容は残念ながら満足のいくものではなく、そのひとつがニュース性=新規性というもの。確かにニュース性の構成要素のなかで、新規性というものは最重要かも知れません。
しかしそうなると2~3年に一度位しか新製品を出せない企業などは、ほとんど広報活動ができないということになってしまいます。しかし実際の新規性とは、ニュース性を構成する要素の1つに過ぎません。
新規性以外にも○○性とつくものはほとんどが構成要素です。例えば社会性、継続性、突発性、意外性、地域性などなど、多くの構成要素が存在します。これら構成要素の総合点が、ニュース性の価値となります。
またそれに加えて、誰がいつ、どこで、どのように情報発信するかということもニュース性向上のためのポイントとなります。従って、ニュース性を新規性と断言してしまうのは明らかに間違いです。ご安心ください。
そしてもう一点気になることが。それは広報活動を行う目的や効果を“売上げ向上”と断言していたことです。確かに広報活動をきちっと行えば売上は上がります。しかし認識を間違えば取り返しのつかないことに…。
広報活動の目的、効果
広報活動の目的や効果を“売上げ向上”とすると、売上を妨げる不利益な情報は隠蔽する、売上に直接寄与しない情報は出さないということになるなります。大袈裟ではなく、実際にこの様な企業は少なくありません。
広報活動は、信用信頼を得ることが目的であり、その結果売上げ向上につながると理解すべきです。また広報活動の対象は顧客や潜在顧客のみならず、業界関係者や管轄官庁、地域住民や社員などと本来幅広いはず。
業界へ訴求することで既存の取引先との信頼関係を強化でき、新たな取引先を発掘できる可能性も広がります。また記事が出ることで商談がスムーズに行え、また記事を販促ツールにも使うこともできます。
そして何よりも、自社の記事がメディアに掲載されて喜ばない社員はいないはず。それが専門紙誌から産業経済紙に、そして日経などの5大紙にとなっていけば社員のモチベーション向上にも寄与します。
メールや社内報で社長メッセージを流しても、“また何か言っている”と安易に取られがちですが、それが記事として出れば、同じメッセージでも重みが全く違うものに。社内広報としても十分活用できると言うわけです。
単に売上げ向上や商品PRという切り口だけでなく会社の価値を再検証し、会社自体のニュース性を探してメディアにアプローチしてみませんか?きっと今までにない効果を実感できるのではないでしょうか?
【ポイント】
1.新しさだけがニュース性ではない
2.広報活動の目的は、信用信頼を得ること 売上向上ではない
3.社内広報と言う観点でもメディア対応は重要
【ご参考】広報力向上ブログ http://ameblo.jp/1koho/
このコラムに類似したコラム
インターンシップでの出会いを次につなげるために 採用広報プランナー 白井 千絵 - 採用コンサルタント(2013/07/17 17:00)
社内報。その前提となるもの 豊田 健一 - 広報コンサルタント(2012/01/20 13:09)
広報の真髄 中村 英俊 - 広報コンサルタント(2010/06/30 13:00)
間違いだらけの情報開示 中村 英俊 - 広報コンサルタント(2010/06/25 21:00)
第1部7回PR講座~基礎編 マーケティングPRを戦略的に! 井上 岳久 - 経営コンサルタント(2010/07/12 09:00)