鳩山内閣の責任は法的責任それとも政治的責任? - 海外ビジネス - 専門家プロファイル

今林 浩一郎
今林国際法務行政書士事務所 代表者
東京都
行政書士

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鳩山内閣の責任は法的責任それとも政治的責任?

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   最近では、テレビや新聞のニュースで鳩山総理の辺野古問題に対する弁解を頻繁に見聞きします。その中で特に気になるのが、鳩山総理の「期限までに辺野古問題を決着しなくても鳩山内閣に法的責任はない(違法ではない)」というコメントです。ところで、本当に鳩山内閣は「期限までに辺野古問題を決着しなくても」法的責任を負わないのでしょうか?この点、憲法第66条3項は「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」と規定しており、内閣の国会に対する議院内閣制における責任を憲法上明確にしています。

   この議院内閣制における内閣の責任の性質に関しては、内閣の国会に対する解散権を本質的要素とみるかどうかで責任本質説と均衡本質説の対立があります。責任本質説は、内閣の存立が議会の信任に依存していることを重視し、議会と内閣が分立し、内閣が議会に対する責任を負う点を議院内閣制の本質と解する見解です。一方、均衡本質説は、議院内閣制における議会と内閣の均衡抑制を重視し、内閣の議会に対する解散権の存在自体を本質と解する見解です。通説は、民主主義的原理に基づき、議会を介して内閣に対する国民の民主的コントロールを及ぼすことを重視して責任本質説を採用します。

   ところで、責任本質説に立った場合、民主主義的原理に基づき、議会を介して内閣に対する国民の民主的コントロールを及ぼすことを重視することから、内閣の国会に対する責任を法的責任よりもむしろ政治的責任と解する傾向があります。この点、法的責任は、民事法上、行政法上及び刑事法上違法と判断される場合にのみに責任追及が限定されるのに対し、政治的責任は、内閣の政治姿勢及び政治的決断一般(外交上防衛上の判断を含む)に責任が及ぶことになると解されます。すなわち、内閣の責任を政治的責任よりも法的責任と解した場合の方が内閣の責任の範囲は相当程度限定されることになります。したがって、民主主義を重視して民意を国政に可能な限り反映させることを意図するのであれば、内閣が国会に対して負う責任は法的責任ではなく政治的責任と解されるべきことになります。すると、なぜ鳩山総理が「期限までに辺野古問題が決着しなくても鳩山内閣に法的責任はない」と主張するのかを推測することができます。それは、内閣の責任を法的責任と解すれば、内閣の責任の範囲を大幅に限定し、内閣に対する責任追及を回避することができるからです。

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