- 廣部 剛司
- 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「住宅ができるまで」
これから1軒の住宅が出来上がるまでのプロセスを
徐々に綴っていきます
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当方ではほとんどの場合、雑誌やTV、HPなどをご覧になった方から <お問い合わせ>をいただくところから始まっていきます。
おそらく、建築家に自宅の設計を依頼するということに どこから手を付けていいのだろうか? と感じられる方が多いと思います。
また、なかなか敷居が高いのではないか? と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際にクライアントになられた方から よく、そんなことを伺います。
でも、最初は一本の電話、一通のメールから「つながり」が生まれるのです。
やはり、いいと思って全力を傾け、設計した建築をみていただいて それから連絡をいただく方々は「すでに一山こえている」と いつも感じます。
つまり、つくった空間がつないでくれている、のです。
当方では、それから「住宅計画調書」という簡単なアンケートに回答して頂いています。
これには基本的にほしい部屋などの情報も書き込んで頂きますが
それから、好きな料理や音楽、クルマなど 一見設計には関係の無さそうな項目も加えてあります。
しかし、実はそこがとても大切な情報であったりするわけです。
このあと、実際にお会いする打合(初回打合)を行います。
アンケートを拝見しながら、さらに頼まれる方の「情報」を引き出していきます。
そして、同時にお互いの相性がいいかを確認していきます。 <お見合い>のようなものですね。
建築の設計をするというのは、ある意味コンサルティングです。
依頼される方が「何を」求めておられるのか? それを読み込むことが設計を始めるために、とても大事なことです。
仮に敷地もコストも同じであったとしても 建て主さんが違えば同じ設計になることはあり得ないのです。
そこが面白いところでもあります。
だから、<初回打合>では脱線(?)しながら
どういう生活を求めているか、なにを楽しく感じている方なのか? というところを伺っていきます。
なかには専門的なことを勉強しなくては... と慌ててしまう方もいらっしゃいますが
私の場合、「どういう建築にしてほしいのか」という具体的な要望を 建て主さんに求めることは、ほとんどありません。
それは建築家の仕事だと思っているからです。
そして、お見合いの感触が良好であれば 敷地に伺います。 敷地で考えることについては、また次回...
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