特許権存続期間の調整規定の解釈(第4回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
弁理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:企業法務

尾上 雅典
(行政書士)
小竹 広光
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月03日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

特許権存続期間の調整規定の解釈(第4回)

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 企業法務
  3. 企業法務全般
   米国特許判例紹介:特許権存続期間の調整規定の解釈
   〜延長期間の計算方法について明確な基準が判示される〜(第4回) 
   河野特許事務所 2010年3月23日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                Wyeth and Elan Pharma International Limited,
              Plaintiffs- Appellees,
                 v.
               David J. Kappos,
               Defendant- Appellant.

 3.CAFCでの争点
重複した場合A遅延とB遅延とのいずれか長い方の遅延を用いるのが適切か?
 892特許に関し、USPTOは610日のA遅延、345日のB遅延を引き起こした。参考図1は、892特許の審査状況を示す説明図である。A遅延の610日の内、51日は出願後3年経過後に生じた。一方、審査過程において、出願人は自身の遅延により148日遅延を引き起こした。




参考図1 892特許の審査状況を示す説明図


 ここで、USPTOはA遅延とB遅延とが重複する場合、いずれか長い方が計算に用いられると判断した。

 そして遅延期間を
長い方のA遅延610日−出願人遅延148日=462日
と計算した。

 一方、原告はB遅延の重複は出願から3年経過後のみを考慮すべきであると主張し、遅延期間を、
A遅延610日+B遅延345日−3年経過後遅延51日−出願人遅延148日=756日
と計算した。

 また、819特許に関し、USPTOは336日のA遅延、827日のB遅延を引き起こした。A遅延の336日の内、106日は出願後3年経過後に生じた。なお出願人自身の行為に起因する遅延は335日である。

 USPTOの計算方法に基づけば、遅延期間は、
長い方のB遅延827日−出願人遅延335日=492日となる。
 原告の計算方法に基づけば、遅延期間は、
A遅延336日+B遅延827日−3年経過後遅延106日−出願人遅延335日=722日
となる。

 米国特許法第154条に規定する期間延長は、USPTOの主張する方法により計算されるのか、原告主張の方法により計算されるのかが問題となった。


                                   (第5回へ続く)

 ソフトウェア特許に関するご相談は河野特許事務所まで 
 |  コラム一覧 |