特許権存続期間の調整規定の解釈(第3回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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特許権存続期間の調整規定の解釈(第3回)

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   米国特許判例紹介:特許権存続期間の調整規定の解釈
   〜延長期間の計算方法について明確な基準が判示される〜(第3回) 
   河野特許事務所 2010年3月18日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                Wyeth and Elan Pharma International Limited,
              Plaintiffs- Appellees,
                 v.
               David J. Kappos,
               Defendant- Appellant.

 同条は大きくパラグラフA、B、及び、Cの3つの期間調整に大別される。

(1)パラグラフA「USPTOの迅速な応答の保証」(以下、A保証またはA遅延という)
 A保証は、USPTOが(i)〜(vi)に規定する一定の審査期間に合致しない場合に、処理の遅れにより1日ごとに特許存続期間を延長するものである。審査期間は例えば、ファーストオフィスアクション(以下、OAという)を14ヶ月以内とすることである。これにより「USPTOにOAの早期通知を促進させる」のである。

(2)パラグラフB「出願係属期間3年以下の保証」(以下、B保証またはB遅延という)
 B保証は、出願日から、3年以内に特許を発行しなかったために遅延した場合、特許期間を1日ごとに延長するものである。なお、パラグラフCはインターフェアランス手続き等に起因して遅延した場合の期間延長を規定するが、本事件ではA保証とB保証とが争点であるため、詳細な説明は省略する。

 同条パラグラフ2はA保証とB保証とが重複した場合の取り扱いについて規定している。

パラグラフ2
(1)に定めた理由に起因する遅延期間が重複する場合は,本項に基づいて与えられる調整期間は,特許発行が遅延した実際の日数を超えないものとする。

 Wyeth社(以下、原告という)はU.S Patent No. 7,179,892(892特許)及びNo. 7,189,819(819特許)の所有者である。892特許及び819特許は共に、アルツハイマー病治療に関する特許である。USPTOは892特許及び819特許の双方において、A遅延とB遅延との双方の審査遅延を引き起こした。

 出願人自身の行為に起因する遅延は、延長期間から短縮される。短縮に関する規定は米国特許法第154条(b)(2)(c)であり、規定内容は以下のとおりである。

154条(b)(2)
(C) 調整期間の短縮
(i) (1)に基づく特許存続期間の調整期間は,出願人が出願手続を終結させるための合理的な努力をしなかった期間に等しい期間が短縮されるものとする。

 USPTOはA遅延とB遅延とが重複する場合、いずれか長い方の遅延を延長期間として計算した。原告はUSPTOの延長期間の計算方法に誤りがあるとして、コロンビア特別区連邦地方裁判所へ提訴した。地裁は、USPTOの延長期間の計算方法に誤りがあるとの判決をなした。USPTOはこれを不服としてCAFCへ控訴した。

                                   (第4回へ続く)

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