特許権存続期間の調整規定の解釈(第1回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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特許権存続期間の調整規定の解釈(第1回)

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   米国特許判例紹介:特許権存続期間の調整規定の解釈
   〜延長期間の計算方法について明確な基準が判示される〜(第1回) 
   河野特許事務所 2010年3月12日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                Wyeth and Elan Pharma International Limited,
              Plaintiffs- Appellees,
                 v.
               David J. Kappos,
               Defendant- Appellant.

1.概要
 1996年の米国特許法改正により、特許権の存続期間は特許発行日から17年とする規定は削除され、出願日から20年と改正された*1。出願日から20年の場合、審査の遅延により特許の有効期間が短くなる恐れがある。

 そのため1999年、存続期間の調整に関する米国特許法第154条(b)が新設された。存続期間の調整は、主に米国特許商標庁(以下、USPTOという)の迅速に応答しなかったことに起因する遅延、または、出願係属期間が3年を超えた場合の遅延により調整される。

 複数の遅延が存在し遅延期間が相互に重複する場合、重複期間の調整が必要となる。重複調整に係る規定は米国特許法及び規則に形式的に存在するのみで、具体的な取り扱いについては全く規定されていなかった。

 原告は重複した際のUSPTOの存続期間計算方法に誤りがあるとして、コロンビア特別区連邦地方裁判所に提訴した。地裁はUSPTOの計算方法に誤りがあると判断し、原告の主張する存続期間計算方法を認めた*2。USPTOはCAFCへ控訴したが、CAFCはUSPTOの計算方法は米国特許法の規定に反するとして、地裁の判断を維持する判決をなした。

                                   (第2回へ続く)

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