記録媒体クレームの特許性について - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
弁理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:特許・商標・著作権

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

記録媒体クレームの特許性について

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 特許・商標・著作権
  3. 特許

記録媒体クレームの特許性について

   〜USPTOによる拒絶回避のための提案〜 
   
河野特許事務所 2010年5月28日 執筆者:弁理士  河野英仁
              

米国特許商標庁(USPTO)は、2010年1月26日記録媒体クレームに関する注意事項を発表した。

 米国出願に際しては、クレームに「プログラム」の記載が認められないことから、記録媒体(Computer Readable Media, Machine Readable Media等)クレームを作成する。

 しかしながらこの記録媒体に関し、明細書に何ら記載が無い場合、「最も広い合理的な解釈(BRI: Broadest Reasonable Interpretation)」*1に基づき、記録媒体は
(1)一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible media)、及び
(2)一時的な伝搬信号その自体(transitory propagating signals per se)

の双方を含むと解釈される。

 クレームが(2)の「信号それ自体」の権利を要求している場合、法上の発明でないとして、米国特許法第101条*2の規定により拒絶される*3。この拒絶理由を受けた場合、クレーム中に”non-transitory(一時的でない)”を加える補正を行うことで拒絶理由は解消するとUSPTOは説明している。

 なお、「信号それ自体」に関する実施例だけを開示している等特段の理由がない限り、原則として当該補正は新規事項の追加とならない。

 クレームのカテゴリーとして、CD-ROM等の有形の「記録媒体」以外に、「伝送波」または「伝送信号」をクレームに記載する実務が数年前存在した。しかしながら、「伝送波」または「伝送信号」は法上の発明でないとして拒絶される。このような場合、USPTOの提案に従う補正を行えば良い。このような拒絶理由を未然に回避するために、明細書には記録媒体がCD-ROM等の有形の記録媒体であることを示す説明を記載すると共に、クレーム中の文言「記録媒体」に対応する図を図面中に記載しておくべきであろう。

以上

発表記事(英文)
http://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/og/2010/week08/TOC.htm#ref20
注釈
*1 MPEP2111は最も広い合理的な解釈について規定している。
2111 Claim Interpretation; Broadest Reasonable Interpretation [R-1] CLAIMS MUST BE GIVEN THEIR BROADEST REASONABLE INTERPRETATION
During patent examination, the pending claims must be “given *>their< broadest reasonable interpretation
consistent with the specification.” >In re Hyatt, 211 F.3d 1367, 1372, 54 USPQ2d 1664, 1667 (Fed. Cir. 2000).< Applicant always has the opportunity to amend the claims during prosecution, and broad interpretation
by the examiner reduces the possibility that the claim, once issued, will be interpreted more broadly than is justified. In re Prater, 415 F.2d 1393, 1404-05, 162 USPQ 541, 550-51 (CCPA 1969) (Claim 9 was directed to a process of analyzing data generated by mass spectrographic analysis of a gas.
*2 米国特許法第101条の規定は以下のとおり。
新規かつ有用な方法,機械,製造物若しくは組成物,又はそれについての新規かつ有用な改良を発明又は発見した者は,本法の定める条件及び要件に従って,それについての特許を取得することができる。
*3 In re Nuijten, 500 F.3d 1346, 1356-57 (Fed. Cir. 2007)、USPTO内部インストラクション
http://www.uspto.gov/web/offices/com/speeches/20090827_interim_el.htm


 ソフトウェア特許に関するご相談は河野特許事務所まで 

 |  コラム一覧 | 

このコラムに類似したコラム