前回、心理学用語の「投影」について説明しました。
今回は、その投影が作り出した症状について一つご紹介しましょう。
その症例は、子育ての疲れから無気力感と涙が止まらなくなり、心療内科でうつと診断された。薬を処方され、服用するが副作用で頭がボーとして、子育てができずにいた。薬がなくなるのをきっかけに、解決にならないと思い、当院へ来院。
自覚症状は、頭と胃が重い(副作用なのかよく分からない)、無気力感、落ち込んで涙がでる、腰痛。
アクティベータ療法の後、心身条件反射療法でストレスを診ていくと・・・
自分に対する感情→嫌悪感、役割
長男に対する感情→罪悪感、先行き不安、怒り
「怒り」の裏にある感情を開放した直後、症状の9割近く改善された。この''「怒り」''は''「投影」''が引き起こした感情でした。
なぜ「怒り」が出てきたのか?
↓
子供が祖母にわがままを言って甘えていることに対する「怒り」。
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自分の中にある「甘えたい」を抑圧していため。(投影)
自分が「甘えたい」と言う感情を押し殺して一生懸命、良い母親を演じようとし過ぎたのかもしれません。
その抑圧した感情を子供に「投影」して、抑圧した感情の分、ストレスを感じていたようです。
それに気づいたのでしょう。
この「気づく」とは、頭ではなく''「腑に落ちる」''と言う感覚なんでしょうね。
合計4回で自覚症状はほぼ改善。
その後、両親にほどほど甘えながら前向きに子育てに奮闘しているようです。
山中英司
治療院のホームページ http://www.hikaichiro.com/
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このコラムの執筆専門家
- 山中 英司
- (カイロプラクター)
- 陽開カイロプラクティック
「体は心の鏡」 体の解放は、心の解放からはじまります
臨床を通して痛感することは、体は心の鏡のような存在だということ。様々な症状の裏には、もう一人の自分からのメッセージが隠されています。カラダを診るプロフェッショナルとして、クライアントの心とも真剣に向き合うことを信条にしています。
045-981-4431
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