お話しますね。前回まではどちらかというと「どういう工法や素材の
選びからなどがポイントか?」という話をしてきました。
それと合わせて、重要なのが今回の視点です。
それは「長持ちする家をどう住みこなしていきたいか?」という視点
です。
一般的に、人は将来のことを考えるのが苦手なように出来ているよう
です。
人によって違いはありますが、例えば、ライフスタイルに関して、1
年後のことはある程度イメージ出来ても、3年後、10年後、20年
後、30年後、と遠い将来になるに従って、イメージしにくくなるも
のです。
しかし、長持ちする家自体は何十年ももつ耐久性のある「箱」なので、
今この瞬間のライフスタイルのイメージだけで、家のことを考えると、
長持ちするけど「使えない箱」になってしまいます。
家の寿命が25年から30年と言われてきた日本の家の背景には、
「ライフスタイルに合わなくなったので建替える」という割合が思っ
ている以上にあります。
日本の住宅業界も、耐久消費財として家造りをしてきた背景から、その
ことを言及してきませんでした。また、長期優良住宅を作っていこうと
いう背景にもあまりこの視点を織り込んで家造りをしているところは
まだまだ少ないでしょう。
欧米などの場合は、家のサイズが合わなくなったら住み替えていくだけ
の良質の中古住宅が沢山あり、家はライフスタイルに合わせて住み替え
る不動産という認識も強いので、売買して住み替えることに対してあま
り抵抗はありません。
また、欧米で売買して住み替えることが可能なのは、家の資産性が確保
出来ているからです。日本の場合は「15年経ったら家はただみたいな
もので土地代だけが、その家の価値」と言われています。
日本の場合、土地代が高いこともありますが、それと合わせて「耐久消
費財」として、家を造ってきた為にそのように言われるようになりました。
このようになると売買して家を買い替えるという発想になかなかいきません。
もちろん、日本の家の全てがそうか?というとそうではありません。
こまめに手入れをしている家などは、20年経っても30年経っても使い
こなしている感じがして、美しいものです。それは、普段から愛情を持っ
て家に接したことで、家に磨きがどんどんかかっていったという感じです。
そういう家は、もともと同じような家であったとしても「オンリーワン」
的な家になっていきます。そうなるとこの家には「土地だけでない家の
付加価値」がついてきます。すでに家を持っている方は、年始のこの
タイミングから家をそういった対象とみて、手入れしてみませんか?
・・さて、話を元に戻しましょう。
これから家造りを考えている人には冒頭で話をした「家をどのように住み
こなしていくか?」をイメージしてみましょう。将来のことなのでどうし
ても漠然としやすいものですから、明確に出来なくても大丈夫です。ただ
し、全くイメージをしないのとでは大きな差になりますので時間をみて
イメージしてみましょう。
また、私たちのような専門家の力を借りるのも1つです。
昨年私が書き下ろしたレポート「経済不況時でも賢く家造りを成功させる
7つの知恵」の後半にも、そのような視点を盛り込んで建てた方のエピソ
ードをまとめていますので、よかったらそれも参考にしてみてください。
http://www.keizo-office.com/report.html
このコラムの執筆専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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私たちの考える家作りの大きな目的は「家族の絆や幸せが育まれること」。そこでこれまで家作りに成功した人たちの「家作りの知恵」をベースに家族が共通の思いを持ち、向き合える住まいをご提案。家族の思いをカタチにします。
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