残土は廃棄物ではない - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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村田 英幸
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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残土は廃棄物ではない

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 YOMIURI ONLINE 大胆!道ふさぐように残土投棄、相次ぎ3か所に

 神奈川県相模原市で市道をふさぐ形で残土が捨てられたたため、相模原市が70万円をかけて撤去したというニュースです。

 記事の注目したい部分はここです。
 残土には大きな石や泥が混ざっているが、ほかに混入物はないことから、同署は「産業廃棄物にはあたらない」とみて、産業廃棄物処理法違反(不法投棄)ではなく、道交法違反容疑で捜査することにした。


 「産業廃棄物処理法違反」という部分が大変痛々しいのですが、今回はそれを無視しておきます(笑)。*1

 何のためにわざわざ残土を運び、そしてそれを市道にまいたのかはわかりませんが、純然たる残土のみを投棄したということであれば、なかなかの知能犯です。

 報道では、残土に一部泥が混じっているということですので、産業廃棄物である「汚泥」が混入していたと言えなくもなさそうですが、泥の割合がかなり低かったということなのでしょう。

 重要なポイントとしては、いくら不要物であっても、残土は廃棄物処理法上の「廃棄物」にはなりません。
 残土に薬剤を混入し、「汚泥化」した場合は別ですが、事件報道の写真で見られるような残土は廃棄物扱いしないのが基本原則です。

 残土の他にも、「気体状のもの」や「放射性物質」なども、たとえ不要物であったとしても、「廃棄物」には成り得ません。

 もちろん、廃棄物にならないからといって、今回の事件のように、適当な処理?をすることは許されません。

 しかし、実際問題としては、このような残土の投棄犯を探すのは非常に困難です。
 産業廃棄物の場合なら、マニフェストや委託契約書からある程度犯人を洗い出すことも可能ですが、残土の場合は、排出者の記録が無く、当然ながら残土には、排出者を示す名札がついていないからです。

 そのため、神奈川県警当局は、道路上に設置した監視カメラなどから、行為者を割り出していくものと思います。


 運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」
*1正しくは「廃棄物処理法違反」。産業廃棄物処理法などという法律はありません。