中小零細企業 × M&A 【20】 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

後藤 義弘
代表取締役
社会保険労務士

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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中小零細企業 × M&A 【20】

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ビジネスモデル事例 M&A (組織再編)
(前コラムより続き)

(1) 株主の理解取得 [ 株主総会の承認 ]



まず会社分割手続きの第一関門の(1)についてですが、会社分割を進めるにあたっては株主総会の

  特別決議 

と言って、通常の決議(過半数)よりもより多く(''2/3以上'')の株主の承認が必要となります。 しかし当事例のA社はオーナー会社であり、株主はオーナー(代表取締役)の1人だけ、つまり(1)のプロセスは事実上スキップでき、株式を公開し株式が分散している公開会社に比べこのあたりの事務コストは大幅に軽減され、より迅速な事業再編が可能となります。 

また、会社法は、仮に複数の株主が存在する場合であっても、分割により移転する資産の額(帳簿価額)が、会社全体のそれに対する割合が 20% を超えない小規模な分割であれば、

  株主総会の承認を省略できる

ルールを用意しており、小規模会社の組織再編のさらなる迅速化が図られていることにもその利用価値の高さが伺えます。(ちなみにA社の事例もこのルールが適用できる分割規模です)


(2) 移転する権利・義務(資産・負債)の整理 [ 分割計画書 ]



この計画書において、A社のどの部分をB社に移すのか、会社の資産・負債他、取引上の権利・義務について移転する項目を明確にします。 そして新会社Bの分割時の貸借対照表を作成しますが、今回のA社の場合、分割する資産・負債はほぼX店のそれに等しく、店舗設備と人がそのまま分割されるイメージです。 しかしながらそれだけでは分割後の運営に支障をきたすので、当面の運転資金として現金など流動性資産の移転を加味します。 これに併せて、新会社代表者となるBも出資によりA社同様B社の株式の一部を保有します。
(A社の場合営業権の計上はできません)

(次回へ続く)