製紙会社不法投棄に関与か - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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対象:企業法務

尾上 雅典
(行政書士)
小竹 広光
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月03日更新

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製紙会社不法投棄に関与か

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 佐賀新聞 コトブキ製紙課長を逮捕 廃棄物処理法違反の疑い

 古紙の再生過程で発生する汚泥を安く処理するため、廃棄物処理業の許可を持たない牧場に不法投棄させた疑いで、製紙会社の環境管理課長が逮捕されました。

 逮捕された環境管理課長は、不法投棄に関与した収集運搬業者のことを「当社の取引先ではない(=勝手に不法投棄された)」と、容疑を否認している模様です。

 捜査当局は、その主張を否認するために、製紙会社の廃棄物処理委託契約書やマニフェスト、伝票その他の帳簿類を製紙会社から押収し、これから容疑者を厳しく追及するのだと思います。(記事の写真を見ると、捜査員が段ボール箱を脇に抱えて製紙会社に出入りしています)


 この事件から得られる重要な教訓は2つ

 まずは、不法投棄に関与していない証明を排出事業者側(製紙会社)ができるかどうか

 「不法投棄に関与していない」と主張するためには、最低限、適切な委託契約書と、それに基づくマニフェストの保存が必要です。

 その上で、不法投棄実行者とはいかなる取引も無い、という事実を帳簿その他で示す必要があります。

 これらのうちどれか一つが欠けた場合、たとえ実際には不法投棄に関与していなかったとしても、排出事業者責任が追及され、不法投棄物の撤去費用の負担などが求められます。

 委託契約書やマニフェストの管理は、基本的な事項さえ守っておけば、それほど困難な実務ではありませんので、抜かりの無いようにしておきたいものです。


 次に、「リサイクル」や「リユース」と称して、実際は不法投棄でありながら、不当に廃棄物処理法の適用を免れようとするケースが最近増えています。

 ここ数年、なぜか牧場に不法投棄をする事件が多くなっています。

 法的には、本当に牛や豚に廃棄物を食べさせるのだとしても、廃棄物処理業の許可を持たずに、「処理費用を徴収しながら」廃棄物を引き受けることはできません。

 そのような事業を合法的に行うためには、家畜の飼料として、牧場側が有償で廃棄物(有価物?)を買取る場合だけです。

 家畜に廃棄物を食べさせるという事業内容では、廃棄物処理業の許可を取得することができないからです。

 排出事業者としては、リサイクルという美名に騙されることなく、冷静に委託先の処理技術や取得許可を確認することが重要です。
 


 運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」