アーカンソー大学のWilliam J. Evans教授らは,高齢者の場合、長期療養が有意な筋量の低下につながるとJAMA(2007; 297: 1772-1774)に発表しました。
今回の研究では,試験前に中等度の活動的な生活をしていた健康人12例(平均年齢67歳)を10日間,床上安静させ,推奨用量の蛋白質(0.8g/kg/日)を含む食事を摂取させました。
床上安静の前後で24時間の筋蛋白質合成率,除脂肪体重(LBM)、検尿,脚の耐久力検査などを行いました。
その結果、10日間の床上安静により,筋細胞における筋合成率は安静前と比べて30%減少しました。筋量はLBMの変化で評価されましたが、床上安静後には全身のLBMが平均1.5kg、脚のLBMが0.95kg減少しました。
この長期療養により筋線維の損失が増大するのは、筋の基本的成分である蛋白質をつくる筋細胞の能力が大幅に低下するためだそうです。
同教授は、「今回の被験者は健康で機能的な制約がないが、ケガや病気などによる長期療養の場合、もっと顕著に低下が見られるだろう」と推測しています。
症状や病気の時にいかにカラダを動かすかが、今後の課題になりそうですね。
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山中英司
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