罰則を解説(9) 廃棄物処理法第32条 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月08日更新

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罰則を解説(9) 廃棄物処理法第32条

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コンプライアンス 廃棄物処理法の罰則

両罰規定とは


 「両罰規定」とは、事業活動に関して従業員が廃棄物処理法違反をした場合、その違反をした従業員のみならず、その人を雇用していた法人又は使用者も罰金刑で処罰されるという規定です。
 特に法人については、最悪の場合、1億円の罰金という非常に重い処罰が予定されています。
 例えば、ある従業員が勝手に不法投棄をしたとき、従業員個人の刑罰は、「5年以下の懲役または1000万円以下の罰金」ですが、その従業員を使用していた法人にも不法投棄の責任があると認定された場合、法人には最高で1億円の罰金が科される可能性があります。


両罰規定の対象となる違反行為


 両罰規定の対象となる行為はたくさんありますが、使用者の法人に対し、最高で「1億円以下の罰金」という、非常に重い罰金が科せられる違反には気をつけなければなりません。
 法人に対し、「1億円以下の罰金」が科せられる原因となる違反行為は、「廃棄物処理業の無許可営業」「廃棄物の不正輸出」「不法投棄」「不法焼却」などです。
 特に、「廃棄物の不正輸出」「不法投棄」「不法焼却」の3つの場合は、実際にはそれらの行為をやり遂げていない「未遂」であっても、「既遂」の場合と同様、法人に対し「1億円以下の罰金」が科せられる可能性がありますので、注意しておいてください。
 両罰規定の存在によって、もっともダメージを受けやすいのは、産業廃棄物処理業者です。例えば、産業廃棄物収集運搬業者のある従業員が、排出事業者に指定された処分先に産業廃棄物を搬入するのを面倒に思い、産業廃棄物を山中に勝手に不法投棄して逮捕されたとします。
 この場合、不法投棄は従業員の個人的犯罪で、会社が命令したわけではありません。経営者や監督責任者がまったく関与していないにもかかわらず、両罰規定に基づき、法人として廃棄物処理法上の罰金刑に処せられてしまうと、それが欠格要件に該当してしまいますので、すべての産業廃棄物処理業の許可が取消されてしまいます。
 また、マニフェストの運用に関する違反も両罰規定に処罰対象になっていますので、排出事業者の場合でも、両罰規定の対象となり、罰金が科せられる場合があります。そうなると、会社全体の信用を失うことになってしまいます。
 たった一人の犯罪が、会社全体に大きな損害を与える危険性を十分認識し、廃棄物処理法に関する理解を深めることが重要です。



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 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」