今回は子供部屋の特に一人部屋が及ぼす影響についてお話しましょう。
近年は出生率も下がり、子供にも一人一部屋がかなり普及しました。近年の家づくりも「子供一人に一部屋を」というのが当然のような形で作られています。
1960〜80年代ぐらいには、なかなか考えられなかった事でしょう。逆に言うと、今30〜40代になった人たちは「自分たちには一人部屋がなかったから少なくとも自分の子供には与えてあげたい」という願望が生まれました。
そういった色んな背景の中、今の子供には一人一部屋が普及していったのです。1970生まれで3人兄弟の次男に育った私からしてもうらやましい限りです。
しかし、一人部屋になった頃で起こっている弊害もあります。
そのうちの1つが「集中力」です。
「え?一人部屋でより集中できる環境を手に入れているのに、どうして集中力に弊害が起こるの?」という声が聞えてきそうです。
確かに、一人部屋ではより集中できるかも知れません。
しかし、ここで大切なポイントが抜け落ちてしまいます。それは、「一人きりの空間でないと集中できなくなる」という弊害です。
実は、一人部屋で集中して物事を取り組む習慣が身につくと、一人きりの空間以外では集中できないようになってきます。
一人部屋で勉強している子供が、受験などの本番で崩れてしまうのは、普段1人で勉強しているのにいきなり何十人もいる環境だと緊張感とストレスで集中できなくなったりするためです。
次回は、「集中力」の欠如が及ぼすもう一つの側面をお話します。
このコラムの執筆専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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「子供の住環境を考える」のコラム
一人部屋が及ぼすもの その2 後半(2007/06/11 07:06)
一人部屋が及ぼすもの その2 前半(2007/06/11 07:06)