米国特許判例紹介:審査段階におけるcomprisingの解釈4 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許判例紹介:審査段階におけるcomprisingの解釈4

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   米国特許判例紹介:審査段階におけるcomprisingの解釈
      〜新規性判断とcomprisingの関係〜(第4回) 
   河野特許事務所 2009年12月21日 執筆者:弁理士  河野 英仁

            In Re Robert Skvorecz

 3.CAFCでの争点
審査においてcomprisingは如何に解釈すべきか
 問題となったのはクレームの以下の構成要件である。

複数のスタンド(10)を他のスタンドへ顕著に食い込ませることなくぴったり収めることを促進すべく、前記第1リムに対して各ワイヤ脚(16)を横方向に動かすために、前記ワイヤ脚(16)の前記直立部(19)または前記第1リム(12)のいずれかにおいて設けられる複数のオフセット(30)を備える。

 参考図4は先行技術であるBuff特許の鍋部品の構成を示す説明図である。


図4  Buff特許の鍋部品の構成を示す説明図

 Buff特許は鍋30を支持する外部支持フレーム20を開示している。外部支持フレーム20は楕円形状の上部支持ワイヤ40、楕円の長軸方向に伸びる2本の縦方向ワイヤ49,49及び短軸方向に伸びる横断ワイヤ48を含む。縦断ワイヤ49,49は端部から上方向に伸びハンドル38,38を形成する。縦断ワイヤ49とハンドル38との接合部にはオフセット52が設けられる。なお、横断ワイヤ48にはオフセットは設けられない。

 審判部は、縦断ワイヤ49にはオフセット52が設けられており、クレームに係る発明はBuff特許から予期できると判断した。

 原告はクレーム1に係るオフセットは各ワイヤ脚16を横方向に動かすためにオフセットが全てのワイヤ脚に設けられている点で、横断ワイヤ48にオフセットが設けられておらず、かつ、縦断ワイヤ49にしかオフセットが設けられていないBuff特許とは相違すると反論した。

 審判部は、クレーム1は移行部にcomprisingを使用しており、「最も広い合理的な解釈(BRI: Broadest Reasonable Interpretation)」(MPEP2111*8)に基づけば、クレーム1は各脚にオフセットを設ける構成を採用するところ、さらに当該構成に加えてオフセットのない脚を具備する解釈ができると主張した。かかる解釈からすれば、クレーム1はBuff特許から予期できる。このような審判部のcomprisingに対する判断か妥当か否かが争われた。

 その他、記載不備が問題となった。図12及び図13は他の形態として第1リム12上に設けたオフセット42を開示している。クレームに記載された如く、全てのワイヤ脚を横方向に動かすためには各第1リム12にオフセット42が設けられる必要がある。ところが図12及び図13は一部の第1リム12に対するオフセット42しか開示していなかった。審判部はこれを理由に記載不備(米国特許法第121条パラグラフ1)による拒絶をなしたが、当該拒絶が妥当か否かについても争われた。
                                     (第5回へ続く)

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