ロコモティブシンドローム
テレビや新聞の健康コーナーで、ときどき「ロコモティブシンドローム」という言葉を聞くようになりました。これは、以前にもコラムでご紹介しましたが、体を移動させるための大切な下半身の能力低下について述べたものです。
歩くのが遅くなったら要注意
最近新たに歩く速さと高齢者の死亡リスクの関連について、フランス国立保健医学研究所の研究グループによる調査結果が発表されました。参加者のうち歩行速度が最も遅い群は死亡リスクが有意に高かく、また歩行速度が遅い群の心血管死リスクは3倍に達することがわかりました。
がん死亡率に関しては両群で有意差はありませんでしたが、心血管死亡率は、歩行速度が遅い群が速い群と比べて高かっということで、研究グループは歩くのが遅い高齢者と心血管死のリスク増加が強く関連していると結論づけています。
歩く速さは、その人の下半身の運動能力と心肺能力によって左右されます。歩くのが遅くなったということは、足が弱ったということともに、心臓も弱くなっている可能性があります。
歩く力を維持することは、単に早く動けるというだけでなく、心臓病を防ぐ可能性もあるのだと思います。
ウイケア健康道場
ウイケアでは、毎週水曜日に健康道場を開き、専門のトレーナーにお願いして健康的な生活が続けられるよう、気持ちの良い運動習慣を身につけるお手伝いをさせていただいています。参加ご希望の方は、ウイケアまで御連絡ください。
文献
Dumurgier J et al. Slow walking speed and cardiovascular death in well functioning older adults: prospective cohort study. BMJ. 2009 Nov 10;339:b4460. doi: 10.1136/bmj.b4460.
吉川祐介 Wecareカイロプラクティック&ナチュラルケア