心に残るスピーチ - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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心に残るスピーチ

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夢を実現する力 私が“成幸”するまでに掴んだ教訓
卒業式がらみのネタです。

学校行事の式典といえば、付き物なのが、校長先生並びに来賓の挨拶。
今年、長女の卒業式でも、校長先生の他に3人も〔?〕来賓の方々の祝辞が続きました。

〔わぁ・・・4人か。長いな・・・〕、内心思いました。
大人の私でさえ、こんな不謹慎なことを考えるのですから、子ども達にとってはきっと苦行でしょう。〔笑〕
スピーチする方は、この日の為に準備し、緊張しながら一生懸命お話されているにちがいありません。
でも、せっかく話すのなら、聴いた人が感動し、聞いて良かった・・・と印象に残る内容でなければ、話した意味がないと思うのです。

一年前を振り返って、あの時あの人がどんなことを言っていたか?思い出せますか?
もっと言うなら、自分の卒業式の時、誰がどんな言葉をプレゼントしてくれたか覚えていますか?
そして、その言葉は自分の人生に影響をもたらしましたか?
卒業式が終った瞬間にさえ思い出せないようなら、そのスピーチを聞いた時間は無駄になると思うのです。

私は4人の方のスピーチを聴きながら、「心に残るスピーチ」とはどういうものか?を考えていました。
聞いている間、興味をなくして眠くなってしまうスピーチ、又は、数日経ってみて、まったく思い出せないスピーチというのは、形式的かつ抽象的なスピーチでした。


例えば・・・
「卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。本日このように素晴らしい日を迎えることができたのも、ご両親や諸先生方の努力の賜物であり・・・〔中略〕
これから皆さんは希望に満ち溢れた未来に向かって、益々勉学やスポーツに励み、
素晴らしい友情を育みながら、日々を感謝し、柔軟に逞しく前進していって頂きたい」。

この手のスピーチは、別に“貴方”じゃなくても言えるし、また、どこの卒業式でも使えるような、ありきたりで無難な内容です。

一方、一番印象に残ったのは、『“振り返ってみること”の大切さについて』絞ったお話をした方のスピーチでした。

ちょっと要約してお伝えします。

「振り返ってみることを、皆さんのお父さんやお母さんの職場では、“PDCAを回す”といいます。
PDCAとは、Plan〔考える〕 Do〔行う〕 Check〔振り返る〕 Action〔改善する〕の略です。
例えば、コンビニでおにぎりを売る時、お客さんにたくさん買ってもらうにはどうするか?を考えます。
『天気の良い日曜日には、近くの公園で野球の試合が行われるから、その日はおにぎりの数を倍に増やして並べてみよう』と考えてやってみるのが、Plan、 Doです。
その後、実際いくつおにぎりが売れたか?を振り返ってみて、うまくいったかどうかを確かめ、次の行動につなげていくのが、Check、Actionです。
これは勉強でも、生活でも、すべてのことについて応用できる大切なことです・・・云々」

このたとえ話を聞きながら、私の頭の中にはコンビニのおにぎりコーナーの映像が浮かんでいました。

最初、スピーチを聞いた時は、「ふつう卒業式の祝辞で、“PDCAを回す”なんて、新入社員研修みたいな話するかな〜?」といぶかしげな印象を持ちましたが、まぁそこは、教育者ではない実業界からの来賓らしいスピーチとも受け取れます。
要は、話の内容が“具体的”で、かつ言葉が聞き手の頭に“映像化”されるスピーチが、人の心に残るということです。

くれぐれも借り物の言葉を並べた、上っ面だけのスピーチは避けたいものです。