「さようなら」、広告、映像の企画・演出術 #5 - クリエイティブ制作全般 - 専門家プロファイル

山藤 惠三
有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
東京都
クリエイティブディレクター

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対象:クリエイティブ制作

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「さようなら」、広告、映像の企画・演出術 #5

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デザインと企画、その気持ちイイ関係。 企画・デザイン、その発想法
2009年、今年を漢字一文字で表すなら、なんという感じでしょうか?
それは、「新」に決定!です。
何で「新」なの〜!と、10人中、9人くらいの人が突っ込みそうな感じです。
私もその一人です、私だったら「代」です、もちろん「政権交代」の「代」だからです。

エスオープランニング、山藤(サンドウ)です。

年末になり、さようであるならば、「さようなら」を考えるシリーズ、
「さようなら」、広告、映像の企画・演出術を書いています。

あまり聞かれなくなった「さようなら」という、日本の美しい言葉について考えています。

ある書籍とブログからの抜粋です。

「さようなら」は寸止めの言葉


「さようなら」の言葉の解釈として、紀行作家アン・リンドバーグの解釈です。

リンドバーグは「サヨナラ」について、



これまで耳にした別れの言葉のうちで、このようにうつくしい言葉をわたしは知らない。
Auf Wiedersehen
Au revoir
Till we meeting again
のように、
別れの痛みを再会の希望によって紛らわそうという試みを「サヨナラ」はしない。
目をしばたたいて涙を健気に抑えて告げる Farewell のように、別離の味わいを避けてもいない。


と他の言葉と比較したうえで、以下のように言います。

「サヨナラ」は言いすぎもしなければ、言い足りなくもない。


それは事実をあるがままに受けいれている。
ひそかにくすぶっているものを含めて
すべての感情がそのうちに埋み火のようにこもっているが、

それ自体は何も語らない。



言葉にしない Good-by であり、心をこめて手を握るあたたかさなのだ──
「サヨナラ」は。

そうか、「さようなら」は寸止めの言葉なのか──。

評論家の澁川祐子さんは、自身のブログの中で、こんなことを言っています。
日本人の使う「さようなら」は、寸止めの言葉であり、禅の世界の言葉なのかもしれません。

ある意味、悲しいだけではなく、いさぎよく、それでいて余韻をかもし出す言葉、
こんなステキな言葉が日本語にはあるのです。

師走の忙しい喧騒の中、少しだけ、うれしい気持ちになりました。

つづく。

参考コラム : 評論家、澁川祐子さん 企画・編集/須藤 輝&連結社より
        オフィシャルブログ、住まいのテレビマニア