「話し方」に現れる人間力。伝わる話し方とは? - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師

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閲覧数順 2024年04月16日更新

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「話し方」に現れる人間力。伝わる話し方とは?

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夢を実現する力 私が“成幸”するまでに掴んだ教訓
私は日頃、人と会話をする時に気をつけていることがあります。
それは、主に「仕事」と「プライベート」で分けています。

仕事の場合、「意見はまず結論から先に伝えて、効率の良い話し方をすること」。

一方、家庭で家族や友人と親睦を深める等の場合は「効率よりも効果を重視して、過程を大切に、ゆっくりと心が通うような会話をすること」。

但し、これは仕事とプライベートで明確に分けられるものでもありません。
仕事であっても、時には効率を度外視して時間をかけなければいけない話もありますし(特に部下との面談やお客様のフォローなど)、家庭であっても、効率よく話を進めなければならないこともあります。


私の場合、家庭でもついつい効率重視のビジネスライクになりがちで、時には家族との会話にイライラさせられることがあります。


以前、家事をめぐってこんなことがありました。

ある日、お風呂の浴槽の栓が壊れて、お湯がためられなくなりました。
(上海の自宅にて)

そこで私は、マンションの管理事務所に電話して、なんとか中国語で「お風呂が壊れたので直して欲しい」という意思までは伝えたのですが・・・。

作業員の中国人男性が来てチェックした後、どうもこの場ではすぐに直せないような雰囲気で、しきりに私に何かを訴えています。

でも、私は中国語の細かいニュアンスが聞き取れず、日本語のわかる主人の弟にヘルプをお願いしました。

義弟の携帯に電話し、まず手短かにこう伝えました。

「うちのお風呂の栓が壊れて、今、管理事務所の人に修理に来てもらってるところなんだけど・・・、何言ってるのかわからないから通訳してもらえる?」。

そしてすぐに作業員に電話を代わりました。
その後、しばらく二人だけで中国語の会話が続きました。

二人の会話が終わったところで、今度は私が電話を代わって、義弟から作業員が何と言っていたか、点検の結果を聞く番です。

「もしもし、私だけど・・・。あーそれで、何だって?」

私としては、まず、今、風呂が直るのか直らないのか? もし今すぐ直らないとしたら、何が原因で、どうすればいいのか?次はいつ直しに来てくれるのか? 大体こんな内容が聞けることを想定していました。

ところが、義弟からの報告はこうです。

「あのー、お姉さん・・・。来週、日本からお兄さんが帰って来ますよね。それで○日には、国内出張で○○に出かけます。今、○○の件で問題が発生しているから、打ち合わせのために○○まで行かなくちゃいけないんです」(←ここまで聞いた時点で私の頭の中は???。いったい何の話?。尚も義弟の話は続く↓)

「それでね、私は明日、出張へ行く汽車の切符を買うために駅まで行くんですよ。その時に、出かけたついでにお姉さんの家に寄ります」(←この時点で更に??『そんな話じゃなくて、今、この目の前の作業員が何を言ったのか、そのまま素直に訳してよ』という心の声。尚も続く↓)

「お姉さんの家で私が風呂をチェックして、壊れた栓の大きさを測って、合うものを店に買いに行きますよ」(ここでようやく義弟の言い分は理解)。

私「それはどうもありがとう。・・・ってことは、作業員の人は、修理はできないって言ってるの?」

義弟「いや、できるんですけど、修理をする場合、栓の交換だけじゃなくて、浴槽を全部取り外す大掛かりな工事になってしまうから、費用もかかるし、交換部品の取り寄せにも納期がかかるって」(←それを先に言ってよ!)

ここまで聞いて、ようやく事情が理解できました。

毎度のことながら、義弟の親切には感謝しつつも、彼が仕事でもこんな調子で会話をしているとしたら、相当なロスが発生しているだろうなと心配になりました。

基本は、聞き手の立場に立って伝えること。それが重要だと改めて感じさせられる一件でした。