先日、お客様と
販売中の空室物件を内見に行きました。
その物件の同じ建物に賃貸募集中のお部屋が数室あり、調査してみると
1階(というより半地下)の、しかも電車の線路に面した北向きの部屋が
一番先に入居者が決まっていました。
そういう部屋ですから
当然他の部屋より安い賃料設定でしたが、
それでも
「この部屋に住むくらいなら、もう少し家賃を払ってでも他の部屋に住むのでは」
というのが私の正直な感想の部屋でした。
(この部屋は他の部屋より、15%ほど安く募集していました。)
賃貸市場に、地殻変動が起きています。
先の例のように、今の賃貸市場では
条件が悪くても賃料の「安い」部屋から決まっていきます。
弊社の管理物件でも、
マンションよりアパート、2階より1階、南向きより北向きというように、
条件が悪くても安い物件から入居者が決まります。
これは、以前には無かった現象です。
この春先までは、ワンルームマンションの場合
8万円以上の賃料帯の賃貸募集が厳しいと感じていましましたが、
今は7万円台の賃料帯の物件でも厳しいと感じています。
明らかに単身者の賃貸ニーズの中心価格帯は
5〜6万円台に下がっています。
市場では空室が非常に増えており、
とくにこれまで比較的人気があり賃貸需要も高かったエリアでの
空室が目立ちます。
ケン不動産投資顧問が行っている四半期ごとの調査では、
都内の高級賃貸物件の場合、
直近の空室率は11%を突破し、
主要3区(港、渋谷、世田谷)の賃料は
前年同期と比べると14.5%下落しているとのこと。(全国賃貸住宅新聞10/19号)
単身者向け物件では、
まだそこまでの空室率や賃料の下落は無いと思いますが、
着実に空室率は上がっており、
賃料もこれまでの賃料から少なくとも5%程度下げないと
決まらない状況になっています。
年末から来春にかけて
賃貸市場のオンシーズンを迎えますが、
ここでどれくらい下げ止まるのか不安なところです。
日経新聞が主催した景気討論会(10/19)でも、
パネラーのお一人が
「場合によると10-12月期はマイナスになり、
来年1-3月期は更に停滞感が強まる可能性が高い」
という経済予想をしておられます。
私も巷で言われている「2番底」は(下手をすれば「3番底」も)あると思っており、
来年にかけて経済状況、雇用情勢は
さらに悪化すると予想しています。
そして、おそらく1年後は
今より更に5%近く賃料は下っているのではないでしょうか。
これから更に賃料の下落が続くとすれば、
今後空室を抱えた場合、
今までの賃料や相場は無視して
少しでも他より競争力のある条件で募集しなければなりません。
もしそうしなければ、
その物件はいつまでも
市場に取り残される危険性があります。
株式会社イー・エム・ピー
代表取締役 中村嘉宏:談
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