中小零細企業 × M&A 【8】 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

後藤 義弘
代表取締役
社会保険労務士

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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中小零細企業 × M&A 【8】

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ビジネスモデル事例 M&A (組織再編)

5. 会社分割と事業譲渡の相違点


ここで今回のA社のリストラスキームの候補となっている「会社分割」と「事業譲渡」の主な違いについて少し説明しておきましょう。

【相違点−1/分割後・譲渡後の会社財産の帰属】

  「さようなら」 の 事業譲渡 と 
           「いってらっしゃい」&「おかえりなさい」 の 会社分割

事業譲渡 は文字通り会社の営業(権)などを外部の会社に売却する、ここでのA社の例でいくとX店を誰か買いたい会社などにお互い合意した金額で売る、日常生活に置き換えると、マイカーを中古車販売業者に売ったりするのと同じ

   商取引

です。 したがって契約の原則通り、それぞれ利害関係者間で 同意 を得て譲渡の手続きを進めることになりその「同意」が契約成立の要件とされます。 株主との関係においては株主総会の「特別決議」(2/3以上の「同意」)による「承認」が必要になります。 

例えばA社X店の場合で第三者である買い手(仮にY社とします)が見つかり合意により事業譲渡が成立すると、X店はA社の手から完全に離れY社のものになります。 お金を払ってそれでおしまいというイメージです。 つまり

   「さようなら」の事業譲渡

一方 会社分割 も「分割」という言葉どおり、A社の資産(負債)の全部または一部(X店)が分割されいったんA社の外に出る、つまり第三者の手に渡るという意味では「事業譲渡」と同じ動きをとります。 しかし事業譲渡との決定的な違いは、この外に出た資産(X店)がいったんY社に渡った後、何らかの「対価」、例えば「株式」などに形を変えてA社に戻ってくるという点にあり、事業譲渡のような商取引ではなく会社の

   組織の組替え

ということになります。 

(次コラムに続く)