- 羽柴 駿
- 番町法律事務所
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
F運転手に過失があるかどうかのポイントは、ダンプカーが交差点のどのくらい手前に来たときに対面信号が黄色に変わったかです。
26トンの砂を積んで時速40キロメートルで走行しているダンプカーの制動距離はおよそ40メートルです。
もしF運転手の対面信号が黄色に変わったのがF運転手の言うとおり、ダンプカーが停止線までおよそ20メートル程度の距離に来た時点であるとすれば、F運転手が停止せず通過しようとしたのも止むを得ない、すなわち過失はないということになります。
他方で、もし警察・検察の考えたとおり、子ども達が青信号になってから横断を始めていたとしたら、逆算すると交差点の50−60メートル手前でF運転手の対面信号が黄色に変わったことになります。そうだとするとF運転手は十分交差点手前で停止できていたはず、すなわち過失ありとなります。
つまり、この事件で最大のポイントは、子ども達が横断歩道の信号が青になってから渡ったのか、それとも赤のうちに飛び出したのか、ということになります。この点について関係者の供述を見ていきましょう。
(次回に続く)