東京都が優良産業廃棄物処理事業者認定制度を開始 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:企業法務

村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
尾上 雅典
(行政書士)
河野 英仁
(弁理士)

閲覧数順 2024年04月23日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

東京都が優良産業廃棄物処理事業者認定制度を開始

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 企業法務
  3. 企業法務全般
NEWSからトピックを抽出 お役立ち情報
 東京都が、優良産業廃棄物処理事業者の認定制度を創設しました。

 以下、東京都の発表内容から抜粋
1 制度の概要
 産業廃棄物処理業者の任意の申請に基づき、適正処理、資源化及び環境に与える負荷の少ない取組を行っている優良な業者を、第三者機関として都が指定した(財)東京都環境整備公社が評価・認定する制度

2 制度の目的
(1) 健全な産業廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展
(2) 優良な処理業者の育成と適正処理の推進
(3) 排出事業者に信頼できる処理業者情報の提供

3 都の制度の特徴
1. 産業廃棄物処理業者の事業内容や取組の状況に対応し、2つの基準に適合した業者を認定
(1) 産廃エキスパート(第一種評価基準適合業者)業界のトップランナー的業者
(2) 産廃プロフェッショナル(第二種評価基準適合業者)業界の中核的役割を担う優良業者
2. 処理事業の信頼度の高さ、環境に配慮したより高度な取組を総合的に評価(書面審査・現地審査)
(1) 遵法性 (2) 安定性 (3) 先進的な項目
3. 第三者機関である(財)東京都環境整備公社が評価委員会を設置し、公平・公正に評価・認定
4. 分かりやすい独自の認定ロゴマーク

4 今後の予定
 10月14日、15日、19日  処理業者向け説明会
 10月26日〜11月25日  認定申請期間
 平成22年2月       認定処理業者の公表
 (都及び(財)東京都環境整備公社のホームページで公表)


 優良事業者評価制度については、既に当コラムでも解説したとおりですが
 ※優良性評価制度とは

 今回の東京都の取組みは、国を中心にして行われている評価制度とは異なり、
 行政以外の第三者機関が優良性について審査をする点が特徴です。


 東京都の発表資料を見る限りでは、国の評価制度よりも、審査項目が若干厳格なようです。
評価項目
(1) 遵法性(評価事項:9〜15項目)
 法定要件・義務を確実に履行していること
 (例)
  ・環境保全関係法令で不利益処分を過去5年間受けていない。
  ・法人税、消費税及び地方消費税の未納がない。
(2) 安定性(評価事項:17〜33項目)
 安定的で信頼性ある自主的な運営を行っていること
 (例)
  ・自己資本比率が15%以上である。
  ・事故時や災害に対する危機管理マニュアルが整備され、緊急時の連絡体制が決められている。危機管理教育、防災訓練等を定期的に行っている。
(3) 先進的な取組(評価事項:14〜20項目)
 環境貢献活動等、先進的な取組を行っていること
 (例)
  ・エコドライブ(「エコドライブのすすめ10ヶ条」等)の徹底に取り組んでいる。
  ・都内でボランティア活動に積極的に取り組んでいる。


 審査項目が多いことに加え、審査手数料が最低10万円からということですので、気軽に審査を受けるというわけにはいかなさそうです。

 審査手数料は半額でも良かったように思います。国の制度に則った評価の場合なら、無料ですので。


 その他、優良と評価を受けた場合の具体的なメリットも不明確です。

 しかしながら、東京都内の事業者の方は、将来的には「優良事業者は、公共事業の委託先に優先的に指名」などの優遇措置が現れてくるかもしれませんので、今後も東京都の動きに注目しておいたほうが良さそうです。


 運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」