- 秋田 憲二
- 株式会社エイチエイケイ 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
で発表したデータの中に興味深いものがありました。
日本と韓国、アメリカの比較ですが、
総務省の国際比較調査(日本、アメリカ、韓国の0歳〜15歳までの子どもを持つ親を対象にした調査)によると、日本は親が思うしつけや教育の悩みの第3位に子どもが勉強しない事が入っていました。(ちなみに他の国の子供が勉強しない悩みは下位のほうです。)
実際に、就学している子どもの「2時間くらい」以上勉強する者の割合は、韓国(63.6%)、アメリカ(41.4%)、''日本(23.2%)''と、他の2カ国に比べ勉強時間の低下がみられます。
また、既婚女性100名を対象に2年前ですが、実施した調査によるアンケート結果です。
子ども部屋は必要か?という問いに対しては、8割の母親が必要と答えています。
そして、子ども部屋をどのような環境にしたいか?という質問に対しては
「子供の独立心を養うため48%」
「プライバシー確保のため18%」
「子どもが遊ぶ場所として17%」
「勉強部屋として16%」
一方、実際に子どもが家の中で過ごす時間が長いのは、
「リビング72%」
「子供部屋10%」
と家族みんなが集まる場所が圧倒的に多い回答結果でした。
以外にも勉強をする場所としては、それほど必要性を感じていないのが実情のようです。
子どもには良い環境で独立心を養って欲しいという希望はありながらも、勉強や遊びはなるべく親の目の届く場所を望まれているようです。
私の結論ですが、日本においては、子どもがある程度大きくなった際に、独立心を養うための個室は必要と思われます。しかし、 勉強をするスペースは、リビングやダイニングなど家族の気配を感じられる場所に設けたほうが子どもの自主性や家族同士のコミュニケーションが生まれて学業だけではない社会生活に必要な勉強も自然と身につくのです。
勉強部屋はなくていいのです!!!