- 宮本 ゆかり
- マイウェイネットワーク
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル
営業の社員と、技術の社員が、仕事を請けることに関してもめ、大声で口論してしまったため、社内が険悪なムードになってしまいました。
だいたいのやりとりはこんな感じ。
営「お客様からモーターを設計して欲しいという注文が来たので作って欲しいんだけど・・・」
技「設計するって、どうしたらいいの?」
営「お客様はとにかく“回ればいい”って言っているから、仕様どおりにモーターが回るようにしてくれればいい」
技「それじゃ意味ないね。最終的な目的はなんなの?」
営「さぁ・・・それは聞いてないけど、回ればいいって言ってるんだから、そのとおり作ればいい」
技「そんな仕事請けたって、まったくの無駄だ。目的がわからない」
営「自分の営業のやり方にも問題はあったかもしれないけど、お客様から仕様は出ているから、とにかくお願いしたい」
技「そのやり方は正しくない。君と僕とでは、仕事の基準が違っている」
営「・・・・?」
こんな調子で議論は延々と堂々巡り。結論が出ないまま決裂してしまいました。
私の目から見ると、
営業の社員が、「子どもの使い」のような受注の仕方をして来る。
お客様の最終目的を把握してきていない。
一方、技術の社員は、協力的な歩み寄りがなく、営業社員を批判するだけ。
もし、相手の要求が違うとか、間違っている、と結論づけたいのなら、何がどのように自分にとって納得いかないのか、プロセスの説明がない。
これは、技術者としての専門能力以前に、コミュニケーションの問題なのです。
だから、この二人、思うような成果が出ません。
専門知識もあるし、熱心だし、真面目なのに・・・。
いくら専門的スキルがあったとしても、ベースに良好なコミュニケーション力がなければ、チームで成果を出していくのは難しいということです。