そこへクーラーによる人工的な寒気がやってくると、皮膚は血管を締めて体温の発散を防ごうとしますが追いつきません。一日中クーラーを浴びていると、体からはすっかり熱が奪われ、冷え切ってしまいます。
次に考えられるのは「冷たい飲み物」です。暑い時期にはどうしても冷たい飲料や氷菓などが欲しくなりますが、それが胃腸に入ると、腹部の熱を容赦なく奪ってしまいます。冷たいものはノド越しはよいのですが、多量に繰り返し胃腸に入ると、様々な問題を引き起こします。
腹部は意外と低温に弱く、腹痛や下痢、便秘などの症状を誘発しますが、それだけではありません。人間の腸はいわば「免疫の中枢」です。胃腸が冷えると腸内細菌の働きが鈍り、免疫力が低下します。そのために風邪が治りにくくなったり、季節外れのインフルエンザにかかったりします。
さらに関係が深いのが「シャワー」です。最近の若い人、特に低体温の人に共通する傾向として、お風呂に入らない、ということがあります。それでは不潔か、というとそんなことはなく、シャワーはちゃんと浴びています。しかし湯船に浸かることが実に少ないのです・・(続く)
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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