一人のリーダーやマネージャーが面倒を見なければならない人数が多くなって、教える頻度や密度が希薄になってしまったり、本来教える立場として望ましい人が忙しく、やむを得ず部長や役員クラスなどの立場がかけ離れた人が指導しているケースもあります。
自分の経験として思い出すのは、良くも悪くも自分の数年後の立場が想像できる人に関わってもらえたことが、今になって思えば良かったという事です。(もちろん“こうだけはなるまい”などの反面教師としての部分も有ります) 当面の「身近な目標」を見ながら仕事をすることが出来ていたということだと思います。もちろん部長クラス、役員クラスでも若手に向けて適切な指導をしてくれる方はたくさんいらっしゃると思いますが、新人や若手社員からすると世代も違いますし、当面の身近な目標とはなりづらいでしょう。
今のように先行きが不透明な時代、10年後の自分といっても夢や希望、願望の世界でしかないでしょうが、5年後といえば何となく想定できる範囲ではないかと思います。以前は新人や若手社員の身近に「少し年上」の「目標になりそうな先輩」がいて、みんな何となくその背中を見ながら仕事を覚えていったのだと思います。あえて意識しなくても、数年後の自分を想像できそうな人が身近にいたのだと思いますが、最近はなかなかそのようには出来なくなっているということなのでしょう。
やはり仕事を身に着けていくためには、「身近な目標」はとても大切だと思います。最近の傾向は「身近な目標の実物」を見せることが難しくなっているということでしょうから、それに変わる「身近な目標」を見つけてあげることが必要ではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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