米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈-6- - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈-6-

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   米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈
      〜400万ドルのメガネ特許権侵害〜(第6回) 
   河野特許事務所 2009年10月2日 執筆者:弁理士  河野 英仁

            Revolution Eyewear, Inc.,
          Plaintiff/Counterclaim Defendant-Appellant,
                v.
          Aspex Eyewear, Inc. and Thiery Ifergan, et al.,
          Defendants/Counterclaimants-Appellees


 3.CAFCでの争点
争点1:先行技術欄の複数の問題点の記載がクレームの記載要件に影響を与えるか?
 被告は545特許のクレーム22は米国特許法第112条パラグラフ1の規定に反すると主張した。米国特許法第112条パラグラフ1は以下のとおり規定している。

第112条 明細書 明細書には,発明及びその発明を製造し使用する方法及び手順の説明を,その発明の属する技術分野又は最も近い関係にある技術分野の熟練者なら何人も同じように製造し使用することができるように,十分に明瞭簡潔かつ適切な用語で記載しなければならない。また,明細書には,発明を成し遂げた発明者が最良と考える実施態様を記載しなければならない。 *6

 被告は、545特許は先行技術の問題として、「安定支持」及び「強度劣化」の2つを挙げているところ、クレーム22は後者の「強度劣化」問題を解決するための手段しか記載しておらず、米国特許法第112条パラグラフ1の無効理由を有すると主張した(米国特許法第282条)。

 つまり先行技術欄に複数の問題点を記載しているものの、クレームがこれらの全てに言及していない場合に、記載不備に基づく無効理由を有するか否かが問題となった。                                   (第7回へ続く)

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