廃棄物処理政策に関して検討されている論点(8)-2 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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廃棄物処理政策に関して検討されている論点(8)-2

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法令改正 2010年 廃棄物処理法改正

廃棄物流通の阻害要因となっている規制




 (第1回目)地方自治体の規制運用の問題
 の続きです。


 中央環境審議会 廃棄物・リサイクル部会 廃棄物処理制度専門員会において、現行の廃棄物処理制度の問題点の一つとして、「地方自治体の運用」が議論されました。

地方自治体の運用
 住民同意や産業廃棄物の流入規制などの、産業廃棄物の円滑な処理を阻害している地方独自の規制を改善するべき
 申請様式や添付書類、法の運用などが地方自治体ごとに異なる状況を改善するべき

 というものです。


 今回のコラムでは、「産業廃棄物の円滑な処理を阻害している地方独自の規制を改善するべき」について解説します。


行政が阻害要因!?




 法律上の原則は、産業廃棄物の県域をまたぐ移動をする場合、産業廃棄物処理業の許可さえあれば、自由に移動をさせることが可能です。

 しかし、多くの自治体は、県外から産業廃棄物を持ち込む場合には、事前に行政と協議することを求めています。

 2009年8月11日現在で、産業廃棄物流入の際に事前協議を求めている都道府県は36あります。
 廃棄物処理法の原則どおり、事前協議を必要としない都道府県は11しかありません。

 せっかくの機会ですので、事前協議が必要無い都道府県を以下列挙しておきます。
東京、神奈川、山梨、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、鳥取、福岡、沖縄


 上掲の11都府県以外の36道県は、県外から産業廃棄物を持ち込む場合、「事前協議」や「届出」が必要となっています。


 これらの規制は、流入してくる産業廃棄物を行政が把握するために行われています。
 「把握」であって、「流入禁止」ではありません。

 ただ、事業者サイドにしてみれば、自治体ごとに違う書類をチマチマ作らされるということは、本来の義務ではない作業を強制されていることになり、たまったものではありません。

 自治体には、有害性が無い産業廃棄物の場合は事前協議の対象から外し、手続きの簡素化を図るなどの取組みをしていただきたいものです。

 
 上掲の36自治体の中には、「北海道」「香川県」「宮崎県」の3自治体のように、県外廃棄物の流入を原則禁止しているところもあります。

 大阪圏の廃棄物が大量に不法投棄された豊島事件(香川県)のため、香川県などが廃棄物の流入に神経質になるのも無理はありませんが、行政本来の役割は、「鎖国」をすることではなく、不法投棄などが行われないよう「監視」をすることだったはずです。

 行政本来の責任を果たすことなく、ベルリンの壁のごとき「鎖国」をして悦に入るのは、単なる行政の責任放棄です。


 適正な処理を徒に取り締まるのではなく、不適正処理を徹底的に取り締まることこそが、行政本来の役割なのではないでしょうか。

 鎖国をするのは誰でもできますが、不適正処理を取り締まる力は、一度衰えると、元の状態に戻すのには多大な労力が必要となります。

 取締り力を落とさないよう、行政には積極的に現場に足を運んでいただく必要があります。

 
 運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」