- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今回は、基本構成は変わらないが、リビング廻りのデザインが違うものを2案提示した。
D1案は、素直なかたちの案。
D4案は、リビングを意図的に真南に振ってみた案。
簡単なブロック模型を一緒に眺めながら、施主の反応を探る。
D1案は「空間が想像し易い案」であり、D4案は、「空間が想像し難い案」である。
プランだけで見れば、施主はD1案が気に入った様だ。
設計者としては、圧倒的にD4案の方が面白いと思っている。
「空間が想像し難い」とは、「そんな空間を経験した事がない」ということであり、
新たな可能性を感じさせる案、ということである。
D4案を説明するために、次回はD1案とD4案のリビング廻りのインテリアがわかる大きな模型を作ってくることになった。
設計者が模型を作るのは、完成した家の姿を施主に見せるためではない。
デザインの新たな可能性を探る為に作るのである。
だから奇麗な模型は作らない。
作ってはバラし、削り、張り付け、空間を探し出してゆく。