東洋医学では、「甘いものは怠け者の薬」というようなことをいいますが、これは甘味が脾をやぶるからです。これは、まさにレプチンが働かないマウスと同じ状態です。
ある研究によると、視床下部というホルモンの中枢にあるプロオピオメラノコルチン・ニューロン(pro-opiomelanocortin neuron)にレプチン受容体を加えると、血糖値が正常にまで低下し、1日中寝ていたのが、より活動的にもなることが分かりました。摂取するカロリーは30% 減少し、体重もやや減少したということで。
この研究は、食欲を調整しているレプチンが関与するニューロンや経路が、運動への欲求や自発的意思を誘発していることを示すものだと思います。
太ると動きたくなくなる、たくさん食べたあとは動きたくなくなる、この両者はレプチン系の働きが低下したことによるものです。つまり、肥満と無気力は生理学的な結びつきがあるということになります。
東洋医学的には、甘味を減らし、筋肉をしっかり動かすことで脾の働きを調整することを考えます。また、経絡では肝・脾・肺の三者の関係を調整します。養生と体の調整をきちんとすることが、大切です。
吉川祐介 Wecareカイロプラクティック&ナチュラルケア