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- 山藤 惠三
- 有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
- 東京都
- クリエイティブディレクター
週末に銀座にお散歩に行きましたが、いつもより歩行者天国に人が少ない印象を受けました。
「選挙になると景気が停滞する！」、これは当たっているようですね。
エスオープランニング、山藤（サンドウ）です。
映像メディアの演出術シリーズ、これでキマリ！ラストシーンの演出術、第四弾です。
このシリーズは次回で一段落する予定です。
その6 唐突に終わるエンディング
これは、今までのパターンや従来のスタイルを無視したラスト・シーンをこしらえて、
唐突に物語を終わらせてしまうエンディングです。
僕の大好きな監督の一人で、
スティーブン・ソダーバーグさんがいます、
彼の作品「エリン・ブロコビッチ」では、''ジュリア・ロバーツ''が、新米弁護士の卵になり、
巨大企業と戦ってゆくすべが物語られますが、
このエンディングが、なかなか小粋な感じなのです、
全ての案件が一段落して、
勝利を手にするのですが、
その後、彼女はまた、今までどおり被害者の家を1軒1軒回ってゆく毎日に戻ります。
ストーリーで戦った、ある家の呼び鈴を押して中からその住人が扉を開けます。
いつものように、にっこりと笑った、エリンブロコビッチの表情とともに映画は終了するのです。
この、唐突に終わるエンディングこそ、見ている人があれっ、と一瞬思い、
そして、その映画について考え出す瞬間をみごとに演出している作品だと思います。
同じようなエンディングは、こちらもアカデミー賞を受賞した、
「ゴッドファーザー」のエンディングもけっこう唐突に終了します。
今までのマフィアのボスが死に、悩んだ末に新しいボスとして暗黒街に君臨しようとする、
若きドン・コルレオーネ、マイケルが、最愛の妻の見ている前で静かにドアを閉めるシーン、
ここで、その壮大な物語のラストシーンは、こんな唐突なシーンで終わりを迎えるのです。
しかしながら、その後、この''「ゴッドファーザー」'シリーズは、3部作となり、
数々の映画賞を受賞する、映画の中でも最高傑作といわれる作品なのです。
扉の向こう側では、いったいどんな新たな物語が展開されているのか、
私だけではなく、全世界の人々が興味を持って続きを見たい！と思ったからこそ、
この映画はシリーズ化され今でも映画の中の映画と呼ばれているのです。
つづく。
参考資料：映画の撮り方、ビデオの撮り方、西村雄一郎／学習研究社
クリエイティブ・プロダクション 映像制作とデザインのエスオープランニング
