賃貸住宅「更新料」無効の判決について - 不動産投資・物件管理全般 - 専門家プロファイル

中村 嘉宏
株式会社イー・エム・ピー 代表取締役
東京都
宅地建物取引主任者

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中村 嘉宏
中村 嘉宏
(宅地建物取引主任者)
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寺岡 孝
(住宅&保険・住宅ローン コンサルタント)

閲覧数順 2016年12月04日更新

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賃貸住宅「更新料」無効の判決について

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賃貸経営…大家さんになったら…
             ・・・EMPメルマガ 2009年7月31日号より・・・



2009年7月24日の日経新聞社会面に、
京都地裁での賃貸住宅の更新料「無効」判決の報道がなされました。
(26日朝日新聞にも同様の記事掲載)

2001年4月施行の消費者契約法に基づき、
更新料は「入居者の利益を一方的に害する特約で無効」
との判断がなされましたものです。


更新料についての過去2件の裁判(京都地裁、大津地裁)で、
両方とも「更新料は有効」との判断がなされていただけに、
今回の判決は関係者の間に動揺が広がっています。

新聞紙面の取り扱いも大きかったので、
多くの方がこの記事を目にしていると思うと、
管理の現場での混乱が懸念されます。


消費者契約法については、原状回復における経年劣化・自然損耗を
「貸主負担」とする判決や、敷引きについても
「違法」との判断が多く出ています。


民法には「契約自由の原則」があり、
個人的には、消費者契約法の広範囲での適用は
いかがなものかという気もします。

原状回復の問題や敷引きの司法判断には納得性が高いものの、
合意を交わしている「更新料」項目が、常識的に考えて
「消費者の利益を不当に侵害している」とは到底思えないのですが・・・。


ただ、「更新料」が「賃料の一部」とする解釈には、
今では無理があるのも事実です。

そもそも「更新料」は「礼金」と同じく、
貸家が少なく貸手有利な時代の産物です。

「礼金」は「大家さん、貸してくれてありがとう。」、
「更新料」は「大家さん、更新させてくれてありがとう。」です。


賃料が右肩上がりだった時代は、更新を機に退去してくれたほうが
新しい入居者に高い賃料で貸せて大家さんにとっては有利でした。

それを更新したのだから、
「本来もらえるはずの値上げ賃料分を更新料として受取るのは当然」
という考え方が「賃料の一部」という解釈に残っていると考えられます。


2-3年毎の更新というのも、短期賃借権が保護されている時は、
借主側にもそれなりに納得性があったと思います。
(民事訴訟法改正により短期賃借権保護は廃止)


しかし、いまや全住宅の13.1%が空室の時代。
(2009年7月28日総務省発表)

もちろん賃貸住宅ばかりが空いているわけではありませんが、
住宅は余っている時代です。

需要と供給から言えば、完全に「借手有利」な時代。

「借主さん、借りてくれてありがとう。」
「借主さん、更新してくれてありがとう。」
の時代です。

今は、「空いたら埋まらない」時代、
「前の入居者より安くしか貸せない」時代です。


退去されたら、リフォーム期間、募集期間などで
最低1ヶ月間は賃料が入ってこない時期があります。

おまけに、空室になった際のリフォーム費用も
ほぼ全額貸主負担です。


あくまで感覚値ですが、「更新」が退去のきっかけになるケースは
全解約の2割くらいあるような気がします。

「更新料」の支払いを含め、更新に対する入居者の負担は
我々が想像する以上に大きいと思います。


そういう意味からも、「更新料」の徴求は
見直すべき時期に来ているのかもしれません。



         株式会社イー・エム・ピー
         代表取締役 中村嘉宏:談



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