あっさり1万円突破も・・・
株式マーケットも経済動向に敏感に反応するマーケットとなっている。
6月の日本株式市場は、GMの破綻処理や米国大手金融機関の公的資金の返済など大きな懸念材料の処理が無事に行われ大きな混乱に至らなかったことから株式市場の上昇にも弾みがついた。
日本株式市場では、景気敏感株や輸出関連株がリード役となり6月3日までに日経平均は6連騰した。その後一旦もみ合うが、電気自動車株関連などの株式が物色され、米国の金融機関が公的資金を前倒しで返済すると発表したことで勢いがつき、12日に日経平均は終値で10,135円と昨年10月7日以来となる1万円を回復した。しかし、3月10日の安値7,054円から僅か3ヶ月あまりで44%上昇したこと、1万円の大台をつけた達成感から利益確定売りが強まり再び9000円台に押し戻された。
6月後半は、米国経済指標の悪化から円高が進み95円までつけると日経平均も9,549円まで下落した。その後月末にかけ落ち着きを取り戻し、利益確定売りも一服して再び1万円に向けて上昇したが、再び1万円を突破するまでの力はなく6月を終えた。
7月に入ると、為替マーケットの欄でも見てきたように、米国の雇用統計の悪化から再び世界経済不安が再燃。米国金融機関の4-6月期決算への懸念から一気に円高が進み、95円のレンジを下抜けして一気に91円まで急騰した段階で、日経平均も9000円すれすれまで急落した。しかし、何とか9000円を割ることなく再び9500円レベルまで戻す展開となった。
このように、株式市場も各国の経済動向により大きく左右される動きとなっている。日本株式市場が1万円を突破して、新しいレンジを作り上げるためには、まだまだ力不足である。これまでの上昇は、不景気の中にあって先行きへの期待感からのものであり、やや実態と乖離しているようである。日本株式市場が今後1万円を上回り更に上昇していくためには、やはり、企業業績に注目した業績相場にならなければならないであろう。