無謀で恥ずかしい話 - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師

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対象:ビジネススキル

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無謀で恥ずかしい話

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夢を実現する力 私が“成幸”するまでに掴んだ教訓
アメリカには「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」という、優秀な経営者を表彰する制度があります。
これまで、スターバックスやマイクロソフトの社長など、著名な経営者がこの表彰を受けてきました。
2001年より、日本でもこの表彰制度が実施されるようになりました。
その第1回目の表彰が行なわれると知った時、なんと私は応募してしまったのです。(・・・といっても勝手に夫の名前を使ってですが)

自社の身の丈も知らず、夫の意向も確認せず、ただただ気持ちは「早くメジャーなベンチャー企業になりたい。表彰台で世間の皆様から『どうして成功したんですか?』と聞かれたら『はい。それは、愛と志とご縁を大切に実践したからです』と答えたい」、今思えば、ただそれだけの発作的衝動でした。

その後、全国から自薦他薦合わせて数百件の応募があり、その中から書類審査と会社訪問見学の結果、セミファイナリスト約40名が選ばれることになるのですが・・・・

なんと!あろうことか、ノミネートされてしまったのです。

後日、日経新聞の一面に大きく「アントレプレナーオブザイヤーJAPAN・ファイナルステージ開催」の記事が載りました。そのセミファナリストの中に夫の名前を見つけた時には、正直あせりました。

「主人になんて話そう・・・。今度は、都内のホテルで審査員やマスコミを前に社長自身がプレゼンしなきゃいけないのに・・・」

夫に事の経緯を説明したところ、こんな返事が。
「ぼく、そういうのに興味ないんだ。仕事してたほうがいいから、君、代わりに行って来てよ」

仕方がない。本人、やる気がないし、私が蒔いた種だから、やるっきゃない・・・しぶしぶ出かけました。

ホテルの会場では、今回ノミネートされた参加者が前列の丸テーブルに着席していました。そこから一人ひとりステージに上がってスピーチするのです。

会場で渡された参加者名簿を見ると、聞いたことのある名前がいくつか並んでいました。
アスクルの岩田さんもその1人でした。

こんな場違いなところに、なんで紛れ込んでしまったんだろう・・・。しかも社長が来ないで奥さんが代わりにくるなんて・・・前代未聞かも・・・。

人前でスピーチをしたことなんてまったくなかったので(しかもマスコミを前にした大ステージで)、心臓はバクバク、足はガクガク震えていました。

いったい何を話そうか・・・? 私の出番は最後のほうでした。
他の社長さん方のように、誇れる会社の実績なんてほとんどない。
私が話せるのは「志」だけ。どんな志をもって仕事をしているのか? そして、これから未来を創る社長さん達にも、ぜひ自社の利益を追求するのみならず、世の為、人の為になる企業を目指しましょう、みたいなことを、気がついたら熱く語っていました。

話し終わったら、顔が紅潮して、頭がパニックになって、そそくさと会場を出ました。
大賞に選ばれるかどうかという以前に、来るべき身分ではなかったという恥ずかしさでいっぱいだったのです。

そんな逃げるように帰る私の後を追って来る一人の人物がいました。

「すみませ〜ん、ちょっと待ってください。名刺交換をお願いします。 スピーチ、とても素晴らしかったですよ。感動しました」
そう言って名刺を差し出してくださったのが、アスクルの社長・岩田さんだったのです。(ちなみに翌日もメールをくださいました)

この時、思ったこと。
大物になる人というのは、気さくで謙虚で、コミュニケーション上手なんだな・・・と。