ライブドア代表訴訟和解成立の報を受けて - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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ライブドア代表訴訟和解成立の報を受けて

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雑感 業務その他
ライブドアショックに端を発する株主代表訴訟が解決へと進みだした。
旧ライブドアの払拭決算の影響で株価が暴落し、不当に損害を受けた
とする株主代表訴訟の原告団410名のうち、95%に当たる381名が
和解に応じ、第1審判決に近い約14億円での和解が成立したという。
23日22時21分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

旧ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件で株価が暴落して損害を受けた
として、個人株主410人が、LDHや旧ライブドア社長の堀江貴文被告
(36)(上告中)らに約44億円の損害賠償を求めた訴訟を巡り、LDHは
23日、原告のうち381人に計約14億360万円を支払うことで、訴訟外で
和解したと発表した。
この訴訟では、東京地裁が今月9日、原告402人に計約14億6600万円
を支払うようLDH側に命じる判決を言い渡し、LDH側が控訴していた。
LDHは381人に1審判決と同額を支払い、控訴を取り下げる。
和解できなかった原告については、控訴審で訴訟を続ける。
LDHは「1審判決は原告の請求額を大幅に減額した点で満足できる。
訴訟が続いた場合の費用負担などを考慮し、早期解決が最良の選択と
判断した」とコメントしている。


裁判が長期化すればそれだけ弁護士費用等の裁判費用が嵩むだけに、
新生ライブドアからすれば、引き継いだ負の遺産の精算を急ぐ方が得策、
との思いがあるだろう。
堀江氏側の意向は兎も角、ようやくとはいえ、和解が成立したことは
我が国経済を考えると、朗報であろう。
しかし、全員が和解に応じれたわけではなく、また、訴訟を継続すること
によって経済犯罪を明らかにしたいという考えの方もいるだろう。

ただ、後者については、新生ライブドアとは直接の関係はなく、堀江氏の
問題なんですよね。
その意味では、損害賠償の相手先は旧ライブドアの法人格を引き継いだ
新生ライブドアよりも堀江氏をはじめとした旧経営陣ではないか、と
思うのですが、いかがでしょうか。

この点については、例えば、旧経営陣が行った不正行為が、旧経営陣が
退職した後の税務調査で発覚して追徴されるケースでも感じるんです。
法人格が継続している以上、現経営陣が会社を代表して会社の資金から
追徴税額を支払うことになるんですが、どこか釈然としないものを
感じるんですよね。
また、現経営陣の経営判断で別法人を設立して、実態を移した場合には、
この追徴税額の第二次納税義務者はどこになるのでしょう。
通則法を見る限り、別法人であっても法人の実態が移っている以上、
税金が追っかけてくるだろうし、解散した場合には、旧経営陣ではなく、
現経営陣に責任がかかってくるのではないだろうか。

これがもし、何も事情を聞かされていない方がヘッドハントされて
代取社長に就任していた場合には、何も聞かされていないのに、
悪さをした旧経営陣は一切の責任を追及されることなく、ヘッドハント
された代取社長が責任を負わされることになり、不当な結果となることは
疑う余地が無い。

こういう事情を考えると、課税当局に有利に法ができている部分が多い
通則法、徴収法の不合理部分は、早急に改正するべきところであろう。

私自身も、この点については、論文として発表できるほど頭が整理できては
いないので、今後の研究課題として、できるだけ早く結果を出したいところだ。