21世紀の潮流 - 不動産投資・物件管理全般 - 専門家プロファイル

中村 嘉宏
株式会社イー・エム・ピー 代表取締役
東京都
宅地建物取引主任者

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対象:不動産投資・物件管理

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21世紀の潮流

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タイムリーな話題で・・・
             ・・・EMPメルマガ 2009年7月17日号より・・・



日曜日夜に放映されている
『官僚たちの夏』を毎回楽しみに見ています。

脚本といい、キャストといい、セットといい、
久しぶりに「ドラマのTBS」の肩書きに
恥じない仕上がりのドラマだと思います。

(第2話の視聴率は9%台と、
 第1話目の14%台から大幅にダウンしちゃいましたが・・・)



その第2話目に、佐藤浩市演じる主人公の風越信吾が

「すべてを市場に任せると、一部の強いものだけが生き残り、
 その他大勢は生き残れない」

というような趣旨のせりふを言う場面がありました。

私は原作を読んでいないので、
城山三郎がそう書いているのか
脚本家の創作なのかはわかりませんが、
もし原作に書いてあるとしたら、
城山三郎はある時点から今の日本の状況を
正確に予測できていただろうと思います。


トロツキストとして
「ニューヨーク知識人」と呼ばれていた
左翼系の人たちが転向してできたのが「ネオコン」。

そのネオコンの唱えた
新自由主義、市場原理主義の思想を
そのまま日本に持ち込んだのが小泉政権でした。

新自由主義、市場原理主義は、すなわち競争至上主義です。

競争に勝ったものだけが幸せに暮らしていける世界。

この世界は、結果として強烈な格差社会を生み出します。


『21世紀の歴史』という2006年にフランスで出版されて
ベストセラーになった本があります。

著者はジャック・アタリという人で、
サルコジ大統領の政策提言者でもあります。

この本では、2年後実際におこることになるサブプライム問題や
世界恐慌の発生とともに、新自由主義、市場原理主義が
21世紀半ばまで続くことを予測しています。

資本主義の本質をとことん追い求めた結果、
今後50年間の世界がどうなっていくのか・・・。
この本を読むと背筋が寒くなります。


世の中には大きな潮流のようなものがあり、
どんなに抵抗してもその流れに逆らえないことがあることも事実です。

強者と弱者、金持ちとそうでない者の差が
はっきり出る格差社会が、これからの世の中です。

このような社会が良いか悪いか、好きか嫌いかは別にして、
もしこれが世界の潮流であれば受け入れるしか仕方が無い。

だとすれば、より経済的に豊かな生活を送るためにも、
当然強者、金持ちを目指さなくてはならないでしょう。

「貧乏でいい」という人は少ないはずです。


『官僚たちの夏』に描かれた通産官僚は、
市場開放による外資の経済支配から
日本の産業や雇用を守った人たちでもありました。

しかし、それは保護貿易主義であり、
もはや今の日本にとっては採るべき政策でないのは明らかです。

政府・官僚による経済統制は行うべきではないと思う反面、
気持ちの中のどこかに大きな潮流も受け入れ難いところがあって、
ドラマを見ながらちょっと複雑な思いで
このせりふを聞いていました。






         株式会社イー・エム・ピー
         代表取締役 中村嘉宏:談



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