- 大平 和幸
- 大平国際特許事務所 所長弁理士
- 神奈川県
- 弁理士
-
090-4227-0184
対象:企業法務
- 尾上 雅典
- (行政書士)
- 河野 英仁
- (弁理士)
その補助金は最大数億円規模のもので、ここ数年委員をやっている。
ところが、今回の審査ではこれまでとかなりの違いが見られた。
それは、明らかに補助金が欲しい、というのが先にあり、そのために申請書を作り上げた、としか思えない申請が多数見受けられたことだった。
以前はそうしたものはほとんどなく、会社で何か月も何年もかけてビジネスプランを練り上げ、ブラッシュアップされた申請が大部分だった。数千万、数億規模の研究開発をするのだからそれが当然だろう。社運をかけるとまでは行かなくても、それなりの数の社員を使って数年間の研究開発をするにはそれなりの会社としての決断が必要だ。
そういった申請に対して委員としては、いろいろな指摘をし、まともな事業開発の議論ができていた。
ところが、今年の審査委員会に出てきたものの中には、ほとんどデータがないものや、話の筋に矛盾の多いもの、果ては理論もスライドも間違いだらけのものまであり、あまりにお粗末な内容のものが含まれていた。これらは議論の俎上にすら乗らないレベルだった。
いくら不況とはいえ、いや、不況だからこそ知恵を出す時間はあるはずなのだから、しっかりしたビジネスプランを練って人を説得できるだけのデータを出し、十分な準備をして審査に臨んでもらいたいものだ。
申請する人は甘く考えず、補助金の審査の基準はどんどん厳しくなっている、くらいに思っておいた方がいい。国家の財政事情を考えれば、税金の無駄遣いは減らす方向にあることは明らかなのだから。金策に走り回っている社長には気の毒だが。
このコラムの執筆専門家
- 大平 和幸
- (神奈川県 / 弁理士)
- 大平国際特許事務所 所長弁理士
先端科学技術と知財活用の両方に精通した、農学博士の弁理士です
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