- 阿妻 靖史
- パーソナルコーチ
対象:コーチング
親子関係にたとえて説明すると分かりやすいです。
子供が何かほしいものがある。まあ、ある程度は親は買ってあげて良いと思うのですが、何でもかんでも買ってあげてしまうと、本人が自分で稼いでほしいものを買う喜びを味わう機会を奪ってしまうことになります。お金の大切さを学ぶ機会を、親が子供の悩みを簡単に解決してあげたことで奪ってしまったわけです。この子は、社会に出るときに結局現実に直面してショックを受けるか、社会に出たがらなくなるか、とにかく、先延ばしした課題は結局本人の元にまたやってくるわけです。
カウンセリングでも同じで、相談者の課題は、カウンセラーが勝手に解決してはいけない。これが原則です。
それを大前提として書くのですが、やはり、とても大変な経験をする人もいるわけです。非常に暴力的な親だったり、犯罪の被害だったり。その辛い経験をすべて学びに代えて乗り越えていったら、それは本当に立派なことだと思うのですが、必ずしも、そうするばかりが解決策ではないな、と、最近思います。
確かに、心理療法の手法の中には、過去の記憶を、セラピストの誘導の中で辛くない形に変化させてしまう方法もあります。経験から学んだり、成長したりすることをせずに、とりあえず楽になれるわけです。その場合、人生の中で同じような課題が再度やって来た場合、結局同じ問題に直面することになります。
だからもちろん、上の親子の例のようになっていないか、よく考えることは必要なのですが、でも、本当に不運な出来事に遭遇していた場合、何でもかんでも学びにすればいいというものではない気がします。
ときには、逃げることがあってもいい。
そう思ったりします。
もちろん、日常的に直面することが多い問題、普通の人間関係とか、夫婦関係とか、そういうことに関する課題は、逃げても逃げられませんから、やはり本人の課題として、しっかり解決することが必要なのはいうまでもありません。
この課題は、しっかり直面すべきものか、それとも、一旦楽になる方へ向かわせるか。こういうことをしっかり考える姿勢が大事なのではないかと思います。
恋愛に悩む方には、あまり役に立たない内容だったかもしれません。
独り言みたいなものですから、気にしないでください。