為替マーケット09年6月 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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為替マーケット09年6月

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やさしい経済の話し 為替マーケット

リスクマネー回帰、しかし、流れに変化が


少し流れが変わりつつあるようだ。新興国の株式市場が急上昇を見せて、原油価格も高騰し始めている。リスクマネーが徐々に市場に戻ってきているようである。為替はこのような場合、今までは円の全面安となるところであるが少し変化が生じている。

ドル円については、4月6日の101.44円から5月22日の93.86円までドル売りの流れとなっていた。GMの破産を巡っての思惑から株式市場も軟調に推移し、さらに格付け機関が米国国債を格下げするのではないかとのうわさから、ドル、株、債券のトリプル安となった。ところが、ドル円は3月19日につけた93.54円を割り込まなかったことで持ち直し、GMも最終的には破産申請を行い、政府が60%の株式を所有し再建を目指すこととなったことから、株式市場は一転上昇に転じた。リスクマネーが再び株式市場や商品市場、新興国市場に戻ってきている。

円はドル以上にリスク逆相関の強い通貨である。つまり、リスク選考局面では円全面安、リスク回避局面では円の全面高になりやすかった。ドル円とクロス円(ユーロ円など)が同方向に動き、クロス円の変動がドル円を上回ることが多かった。最も金利の低かった円を利用したキャリートレードの拡大縮小が相場に影響を及ぼしていたためである。

しかし、最近では、クロス円が上昇する一方で、ドル安によってドル円が下落する、という状況へ変化しつつある。これは、ドル金利が低下してドルのキャリートレードが拡大するようになってきたという見方もある。

つまり、今までの円中心の動きから、ドル中心の動きへとなりつつある。ドル安円高、ドル安ユーロ高⇒ユーロ高円安のように、ドルに対しては円高、ユーロに対しては円安という現象が起こってきている。

事実、93円から再び上昇してきたが、100円を超えることなく、98円台でとまってしまっている。一方、ユーロ円いついては、139円まで上昇、下値を切り上げる展開となっている。ドル円いついては、円高リスクを引き続き注意する必要があろう。