レッチェ・フレームワーク - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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レッチェ・フレームワーク

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雑感 業務その他
先週末にイタリア・レッチェで開催されたG8財務大臣会合は、世界的な
景気後退が大恐慌以来の大規模なものであったが、国際協調による景気対策
の結果、北米では緩やかな回復の兆しを見せていることを共通認識とした。
その上で、各国の状況を確認し、「レッチェ・フレームワーク」として、
国際的な経済・金融活動の適切性、健全性、透明性に関する基準を公表した。
14日8時26分トムソンロイター記事はこう報じた。

われわれは、大恐慌以来最悪の危機の中にある。
長引く景気後退の広範さと強さにより、適切性、健全性および透明性の
基準に対するわれわれのコミットメントを強化することの重要性が露見した。
過度のリスクテイクおよびこれらの基本的な原則への違背が、国際的な
経済や金融の安定が損なわれる一因となった。
この問題は、自己規制と市場規律に依拠する分野でも、公式のルールや
監督を伴う分野でも、ともに生じたことから、市場機能が欠点を抱えている
ことが明らかになった。
市場経済が持続的な繁栄を生むためには、経済活動における適切性、
健全性および透明性に関する基本的な規範が尊重されなければならない。
今回の危機の規模と広がりは、この観点から緊急に行動する必要がある
ことを示した。
改革のための努力は、国際的な経済・金融システムが抱えるこうした
欠点に決意をもって取り組まなければならない。
このためには、適切な水準の透明性を促進し、規制・監督システムを強化し、
投資家をよりよく保護し、企業倫理を強化することが必要とされる。
本日、われわれG8の財務大臣は、国際的な企業と金融機関の行動に関する
適切性、健全性および透明性に関する共通原則の必要性について議論した。
われわれは、既存のイニシアティブに立脚しつつ、規制上の隙間を検証・
補充し、迅速な実施に必要とされる広範な国際的合意を促進するための
包括的な枠組みを策定するとの戦略「レッチェ・フレームワーク」の
目的について合意した。
レッチェ・フレームワークは、適切性、健全性および透明性に関連して
共通の視点を有する既存の、あるいは作成中の広範なツールがあることを
認識し、これらをコーポレート・ガバナンス、市場の健全性、金融規制・
監督、税に関する協力、およびマクロ政策・データの透明性の5分野に
分類する。
包含される具体的な事項は、特に役員報酬、システム上重要な機関に
対する規制、格付機関、会計基準、国境を越えた情報交換、贈賄、
タックスヘイブン、非協力的国・地域、資金洗浄・テロ資金対策、
経済・金融データの質と分析などがある。
国際的な機関・フォーラムはすでにこれらの分野における多くの重要な
問題について相当規模の作業を行っているが、多くの場合、それらの
イニシアティブは参加国やコミットメントが不十分であるという問題がある。
本日、われわれは、世界的な市場システムを強化するため、IMF、世銀、
OECD、FSB、FATFその他の国際機関によってなされた作業に
立脚するまとまった枠組みを設けることに合意した。
実効性を確保するため、われわれはあらゆる努力を傾注して最大限の
参加国と迅速で決然とした実施を追求する。
われわれは、G20およびそれ以上のより広範なフォーラムに拡大することを
視野に入れて、国際的なパートナーと協働してレッチェ・フレームワークを
進展させていくことにコミットしている。



レッチェ・フレームワークとして公表された内容は、IMF等で近い将来、
まとめられるであろう国際的な枠組みに従って、世界各国が協調して
世界経済へ介入することで、景気後退からの脱却を図り、世界経済の安定を
目指すという方向性を明確にするものであろう。

我が国経済の復活のためには、世界経済のブロック化を阻止し、国際化を
図る方向性が必要であろう。
外需主導の我が国経済の構造転換を図ることも肝要であろうが、国際的な
労働市場に放り込まれた我が国の労働環境からすれば、内需主導型への
転換は非常に困難だと考えている。
それだけに、世界経済の回復が我が国経済の回復への特効薬であり、
命綱であろう。

ただし、我が国経済を国際的に調和化させるいわゆるコンバージェンスを
大規模に行うことは、横並びのぬるま湯に使っていた国内取引のみの
中小企業には、優勝劣敗が顕著になる可能性が高いだけに、負担が大きい。

難しいところですが、成熟化してしまった我が国経済を成長市場へと
転換していくためには、勇気を持って思い切った改革が必要だと思います。