- 青田 勝秀
- 大国屋ビジネスコンサルティング株式会社
- Webプロデューサー
対象:ITコンサルティング
現在のEコマース店舗がおかれている状況
Eコマース店舗を運営する環境は毎日刻々と変化しつつあります。ちょっと前まで商品をUPするだけで売れていたのが、今は広告やSEO・SEMそしてバズマーケティングなどを駆使し、広告費用をかけて商品を販売しているのが実情です。では、その広告費用ってどこから出てくるものなんでしょうか?実際は色々なケースがあるとは思いますが、利益を確保するためには仕入れ価格を下げて、販売価格を上げて、販売促進費用を捻出することが鉄則です。
競争市場での商品価格設定
だとすると販売価格をどんどん上げて、広告費をかけられるようにしていけばいいか?というとそれは違います。現在Eコマース市場のほとんどの商品が需要よりも供給が多いです。売りたい人が買いたい人に対して多すぎる状況です。こう言った状況下では経済学的に考えれば、供給過多・価格弾力性が高い市場ということになります。それは市場の競争が激化しており、商品の価格は競争により値下げ幅が大きいということです。競争が激化している市場においての価格設定はどのようにするべきでしょうか?
1にも2にも市場調査
兎にも角にも市場の調査を実施しましょう。Eコマースの商品だからEコマースで販売されている商品を調べればいいか?というとそれは違います。消費者もネットを購買経路の1つとしか考えていません。昔みたいにネットだったら安くていい品が買えるとは考えていないと思ってください。ですので、ここでいう市場調査は現在消費者が手にすることが出来るありとあらゆる商品市場の価格を確認しましょう。
1.実際の店舗
現在消費者は1つの商品を実際に店舗で購入しようとしても、購入する場所は多岐多様にわたります。出来る限り、わかる範囲で実際の店舗の価格を取得して平均価格・最高価格・最低価格を把握しましょう。
1)ナショナルチェーンでの価格 GMS・スーパーでの価格 コンビニでの価格
一般生活での価格はどのようなものかを調査しましょう。
2)商店での価格・百貨店での価格
専門店での価格を確認しましょう。
2.ネット上での価格
通常ECモールに出店されている店舗様は基本的にECモール内の価格を確認することを優先されると思います。それは正しい判断ですし、一般的な行動だと思います。しかし消費者は現在日に日に検索サイトの使用方法や価格比較サイトの使用方法を学んでいます。ECモールでの価格戦略だけ考えていたら市場全体のトレンドとかけ離れてしまうこともあると思います。ネット上のありとあらゆる価格を確認しましょう。
1)価格比較サイトでの価格
2)ECモールでの価格
3)独自ドメイン・自社サイトでの価格
価格の設定
いまお話した情報収集を実行したら、価格の設定を考えてみましょう。場合によってはその商品の販売自体を考え直す必要性も出てくると思います。集めたデータを元に今一度自社の商品の価格を見つめなおしましょう。
1.価格の差異
他店舗や他チャンネルと比較して、販売価格が高い場合は仕入れの経路を見直ししつつ販売価格を見直ししましょう。
2.粗利 売上総利益を確保できるか?
売上高−売上原価=粗利 売上総利益なわけですがこの利益を確保できる価格設定でしょうか?この利益率がある程度の割合以上を下回る場合は、その商品に力をかける=人やお金や時間をかけることをやめて粗利がとれる他の商品に力を入れていきましょう。
3.将来性
その商品がまだ市場に出回っていなくて、どの市場においても価格弾力性が低い場合「値段がそんなに変わらない場合」は、その商品はまだ未知の可能性が秘められています。こういう商品を見つけ出して攻めの価格設定をしていくことが望まれます。
では、どんな商品が将来性がある商品なのか?その商品はどうやれば見つけられるのか?このことについて次回のコラムでは記載していきます。