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羽田 未希
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閲覧数順 2016年12月10日更新

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希望退職制度(3)

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雇用調整・リストラ

業務の再構築


 希望退職を募集する前に、事業の再構築、つまりリストラ計画を立て、それにもとづき業務を再構築することが必要です。受注の減少、業務の必要性および優先度などから考え、本当にこれだけは残さないといけない必須業務と、今はなくてもやっていける業務を整理します。

 例えば経営環境悪化により現行の事業をなんとか継続して行くために希望退職制度を実施する場合、新規事業開拓部隊の業務は必要ではなくなるわけです。今後の事業計画も関係してくるので一概に言えませんが、個々の会社の状況により業務再構築が進められます。

対象者の選定


 希望退職制度の運用においては対象者の選定が最重要ポイントです。よくパフォーマンスが低い社員や勤務態度が良くない社員が対象になると思われがちですが、実際選定するにあたって、よほどひどい場合は別ですが、パフォーマンスや勤務態度で選定するのは困難です。

 たとえば勤務成績が悪い者という基準で対象者を選定する場合、その会社に、きちんとした評価制度があることが前提となります。評価制度が機能していない会社で、勤務成績を基準とすると、本人から選定理由を問われた場合、納得性のあるデータを示すことが難しく、トラブルが発生する元となります。

 では、希望退職制度ではどのような基準で対象者を選定したらいいのでしょうか。明確で予見可能性が高い基準となると、年齢や勤続年数、役職等が上げられます。たとえば、「50歳以上の管理職を対象に希望退職を募集する」とすると、基準としては分かりやすくなります。大企業であれば、このような基準でもいいでしょう。

 しかし業務とは無関係に希望退職者を募集しても、事業の再構築にはつながりません。実務的には、リストラ後の業務の再構築を念頭に、削減対象者を選定します。業務再構築後に業務が大幅に減少する社員、場合によっては担当業務が無くなる社員が出てきます。業務再構築により担当業務が無くなる社員が希望退職に応募してもらいたい第一番目の対象者です。その次に業務が大幅に減少する社員が対象となります。
 ただし、この第二番目の対象者は全員が対象になるわけではないので、この中から退職勧奨を行なう社員を選定しなければなりません。様々なケースが想定されますので、こうすればいいという正解はありませんが、いくつかの考え方を以下に示します。

(1) その社員の担当業務が他の社員で代替できる業務かどうか
(2) その社員を配置転換して別業務を担当させることが可能かどうか
(3) その社員が勤続年数から考慮して高い企業特殊性を身に付けているかどうか

 (1)については担当業務の専門性・特殊性がポイントとなります。その業務が余人をもって替え難い業務であったならば、その社員は会社にとって必要な人材でしょう。

 (2)については社員のスキルがポイントとなります。その社員が複数業務を担当できるスキルを持っているのなら、配置転換もしくは兼務により業務再構築に適応させることができます。もし、単一のスキルしかなく担当業務の量が減少するなら、逆にその業務を他の社員に兼務させるということも考えられます。

 (3)については勤続年数の長さと企業特殊性の保有量がポイントとなります。その社員の勤続年数も企業特殊性も直接的には担当業務に影響しません。しかし、企業特殊性というのは暗黙知の保有や社内のインフォーマル・ネットワークの保有など、目に見えない価値を持っている場合があります。

 米国では労働組合の組合員を対象とした、シニョリティー制度(先任権制度)という概念があります。これは解雇する場合には勤続年数の短い人から順番に実施するというものです。レイオフなどの際にはこれを適用する企業が多いようです。
 
ある米国系企業の日本法人においては、希望退職者を募集する際、いくつかの条件で選定して行き、最後の条件として勤続年数の短い人を退職勧奨の対象にしたという事例があります。これは部分的ではありますが、米国のシニョリティー制度の影響があったと考えられます。日本企業であれば、勤続年数が長くても年齢の高い方が対象になっていたかもしれません。

 次回は、希望退職募集時に必要人材を流出させないポイントを解説します。

<執筆者>あした葉経営労務研究所 代表 
     凄腕社労士 本田和盛
<執筆協力>あした葉経営労務研究所 客員研究員 
      中村伸一(アンジェスMG株式会社)

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