民主党の経済政策に懸念、新たなマニフェストを求める - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

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民主党の経済政策に懸念、新たなマニフェストを求める

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政治の話
Voice誌において、エコノミストの安達誠司氏が民主党の経済政策について
痛烈な批判をしている。
鳩山新代表の下、再出発を図る民主党に対して厳しい意見を突きつけた
格好だが、これからの日本経済の舵取りを見定める上で
考えさせられるその一部を紹介しよう。


「小沢一郎代表の政治献金問題に揺れる民主党だが、日本に二大政党制に
基づく政権交代を根付かせる原動力としての国民の期待は依然として高い。
その政権担当能力を試すという意味で、「100年に一度の経済危機」に
対する経済政策構想の評価はきわめて重要だと思われる。
だが、筆者がエコノミストの立場で民主党の経済対策案を見るかぎり、
その効果については疑問符が付く。」

「筆者は、以上のような経済政策のメニューが通常の経済状況の下、
もしくは「循環的な」景気後退局面で策定される経済対策であれば、
十分評価に値すると考える。
しかし、1930年代の世界大恐慌に匹敵するともいわれている今回の経済危機
を克服するための「緊急経済対策」としては、問題が多いと考える。
その理由として筆者が指摘したいのが、(1)緊急経済対策の財源が、「税金の
無駄遣い」の見直しによるコスト削減であること、(2)「非伝統的な金融政策」
の実施に否定的であること、(3)底流に政府主導の「産業合理化」という
発想があると思われること、の3点である。」

「マクロ経済的には、公務員も、非効率な公共投資の恩恵に与っていた
建設業者も、消費者の一部を形成しており、公務員の給与や公共投資から
低所得者層に対する扶助に変わっても、お金の流れは変わらない。
もし、後者の効果のほうが大きいとすれば、低所得者層の限界消費性向が
公務員の限界消費性向よりも高い場合である。
しかし、かつての地域振興券の経済効果の追跡結果(内閣府が発表)で
みられたように、多くの低所得者層は政府による扶助をもらったとしても、
それがそのまま消費の拡大につながるとはかぎらない(つまり扶助が増えた
分は、貯蓄をして将来不安に備える)。」
「重要なのは、「新規に需要を付ける」ことであり、そのためには、新規財源
(国債発行)による財政支出拡大が必要であると考える。
政府支出の無駄を強調し、公務員を仮想敵と見立てることによって、
大部分の国民は溜飲を下げるかもしれない。
しかしそれが、必ずしも日本経済を回復軌道に乗せるとはかぎらないのである。」

「今回の民主党案では、サプライサイド政策的なものが含まれている。」
「多くの企業が過剰在庫を抱えている局面で、あえてリスクを取って新規の
設備投資を促進させようとするサプライサイド政策を打ち出しても、効果は
疑問である。
まずは、過剰在庫の削減を促すディマンドサイドの政策が必要であると考える。」

「筆者は民主党の経済政策構想の最大の問題点は、金融政策に対する無理解
であると考える。」
「民主党の資金繰り対策の目玉は、政府保証を付けた(つまり元本保証の)
日銀保有国債を事業会社に貸し出し、それを担保として民間金融機関からの
融資を促す「政府保証付国債賃借レポ」のようである。
だが、これは政府与党がすでに実施している中小企業に対する信用保証
(大企業に対しては、日銀による社債、CPや政策投資銀行を通じた融資
スキームがある)と比較して、何の利点があるかが筆者には理解不能である。
金融機関が事業会社に対する融資をためらっているのは、マクロでみた
事業環境の悪化が止まらず、新規融資が不良債権化する恐れがあるため
であって、それを阻止するための金融政策は積極的な金融緩和、そして
伝統的な金利政策が限界点に到達したあとは、非伝統的な金融緩和政策以外に
ないはずである。」

「2008年前半の景気後退初期には、内需不振の理由は、長年の低金利政策
による利子所得の減少であるとして、消費拡大のための利上げ政策を提唱
していたのも民主党の有力議員であった。
さすがにこの局面で利上げを主張する議員はいなくなったが、民主党の
金融政策の考え方は、これまで政策の失敗を繰り返してきた日本銀行の
スタンスを無批判に追随したものだと思われる。
これはなぜだろうか。筆者にはその理由はわからない。」

「筆者は、「恐慌」ともいえる景気悪化局面で同様の政策を採用した事例
として、昭和恐慌期の民政党との類似性を想定せずにはいられない。」

「この民政党の経済政策には3つの特徴があった。
第1点は緊縮財政である。」
「第2点は産業合理化であった。」
「第3点は、金融引き締めと円高志向であった。」
「民政党の外交姿勢は、「幣原外交」として名高い、欧米列強諸国との
協調外交であり、当時の通貨システムのグローバルスタンダードであった
再建金本位制への復帰が民政党の最大の政策目標であり、経済政策は
これに「拘束」された。
そしてその結果は、米国での株価暴落に端を発する世界大恐慌という暴風雨
のなかで、日本の政策当局は引き締め政策というポリシーミックス
(緊縮財政・円高誘導のための金融引き締め・円高水準での為替レート固定・
セーフティネットの不在〈清算主義〉)を選択してしまい、日本経済を崩壊
させてしまった。」

「緊縮財政・金融引き締めというポリシーミックスの根底には、「日本経済は
すでに低成長局面に入っており、名目成長率はせいぜい2%程度にすぎない」
という発想がビルトインされている。
これは、かつて中川秀直氏の「上げ潮政策」に対する批判として、与謝野馨
現財務・経済財政・金融相が発言したものである。
正直なところ、現在の民主党の政策構想は、この考えとほぼ同じ構想の下に
作成されているとしか思えない。
しかしこれでは、政権交代によって、日本経済が回復するとはとても思えない。
むしろ対立軸としては、より高い名目経済成長率を明示し、それを実現
させるためのポリシーミックスを掲げるべきではないか。
経済危機で各国の名目経済成長率は軒並み低下しているが、日本のそれは
長期にわたって低位に位置している。
この長期的な低成長から脱しないかぎり、民主党が与党の対立軸となる
意味はないというのが筆者の正直な感想である。」



民主党の経済政策に対する一定の理解の上で、今の時代に自民党の経済政策
との対比の上で、民主党が政権を担う上で採るべき経済政策の本質をついた
この安達の見解は、実に趣き深いものである。

昭和恐慌の際の原民政党の政策に近いことを危惧しながら、民主党の
経済政策が与党との対立軸の意味を果たせていないことを指摘する内容だ。

私は昨年末の税制改正大綱にしろ、今回の緊急経済対策にしろ、民主党の
見解が自民党の見解が発表されるのを待って発表されていることを疑問視し、
それもその内容の大半が自民党のものと大差なく、一部の特徴的な部分が
自民党案よりも庶民への保護をより重視した内容になっているにすぎない
ことに懸念を持っています。

民主党に期待されているのは、政権可能な政権担当能力を持った対立軸であり、
具体的な政権構想のはずである。

しかし、「現在の民主党の政策構想は、この考え(上げ潮派の中川氏との
対立軸としての自民党総裁選における与謝野氏の政権構想)とほぼ同じ
構想の下に作成されているとしか思えない」(カッコ内、平)のであって、
これでは麻生政権における財政政策の責任者である与謝野氏との対立軸に
なりようがない。

鳩山新代表の下で新たなマニフェストが策定されることを期待したい。

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