米国人というと、靴底のように分厚いステーキとポテトチップス、或いはドデかいハンバーガーとコカコーラ・・というイメージがあり、とても健康的な印象がありません。実際少し前までは、各種がんや心臓病、痛風などの病気が多発し、平均寿命は日本など他の先進国よりも短い状態が続きました。肉食がとにかく多い一方で野菜や果物の摂取が少ない、また有数の車社会のため運動不足の人が多い、それに競争が激しくストレスが多い・・といった要素が原因として挙げられていました。
ところがその米国も、近年ではすっかり様変わりしているようです。1977年に「マクガバン・レポート」という政府の報告書が出され、食生活を菜食中心にしよう、という運動が徐々に巻き起こりました。90年代以降は「Five a Day」というスローガンが掲げられ、毎日野菜と果物を5皿以上食べましょう!と喧伝されました。それだけでなく世界に先駆けてタバコ離れに取り組み、喫煙率は先進国で最低クラスまで低下しました。フィットネスブームも米国より世界に発信していき、スポーツ人口も増えています。
その結果、アッパー層を中心とした米国人の食事はすっかり野菜・果物中心に変貌したそうです。有力企業の社員食堂の中には、野菜や果物を無料で食べ放題にし、肉や菓子類を有料にしているところもあると聞きました。それに加えてコーヒーや紅茶も「カフェイン抜き」のものを選ぶ人が増え、砂糖入りの清涼飲料水(スポーツ飲料など)を子供や若者に飲ませない、という風潮になっているそうです。コーヒーやスポーツ飲料、ファストフード全盛の日本とは、実に対照的です。
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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