不良債権救済プログラムの適用を保険会社に拡大 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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寺崎 芳紀
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閲覧数順 2024年04月23日更新

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不良債権救済プログラムの適用を保険会社に拡大

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雑感 業務その他
アメリカ財務省は、不良債権救済プログラムの適用について、生命保険会社
への適用を決めた。
15日12時28分トムソン・ロイター記事はこう報じた。

米財務省は14日、ハートフォード・ファイナンシャルなど保険4社を
不良資産救済プログラム(TARP)の適用対象として承認したと発表した。
承認されたのは、ハートフォード、プリンシパル・ファイナンシャル・
グループ、リンカーン・ナショナル、プルデンシャル・ファイナンシャル。
ハートフォードはTARPを通じて34億ドルを調達する計画について
仮承認を得た。
財務省報道官は、4社が銀行持ち株会社であり、2008年11月14日の
期限前にTARP適用申請をしたため、承認されたとしている。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、オ−ルステートと
アメリプライズ・ファイナンシャルも適用対象として承認されたと報じた。
プルデンシャルの広報担当はコメントを拒否。
オールステート、アメリプライズ、リンカーン、プリンシパルのコメントも
現段階で得られていない。
ハートフォードは声明で、資本注入について仮承認を取得したことを
明らかにした上で、詰めの協議を経て最終承認を得る必要があるとした。





公的資金を生命保険会社に投入するという決断を下したということは、
アメリカは支援の幅を広げたと見るべきだろう。

これを好意的に見れば、金融危機以降の対策が功を奏し、銀行・証券の
下支えに一段落をつけ、自動車業界の問題にも一応の決着を見たのだから、
今度は保険業界の建て直しに入るんだ、という意思表示に見える。
それも、公的資金の投入という政策に効果があることを確認できたとしての
支援の幅の拡大と見れるだろう。

しかし、懸念を持って考えると、アメリカ経済の脆弱性の表れではという
おそれを感じずにはいられない。
生命保険会社の破綻は、契約者各人のライフプランの破綻に繋がりかねない
だけに、注意が必要である。
日本の場合には、保険会社が破綻しても保険契約を保護する仕組みが
ありますが、アメリカではどうなのだろうか。
自由経済を標榜し、国家による管理を拒否してきた国だけに、心配です。

わが国における公的資金投入による支援効果は確かにあった。
公的資金が投入されることによってある程度自由を制限されるにしても、
わが国の悪しき伝統でもある天下りが機能し、民間に優秀な頭脳が提供
されるだけではなく、情報の伝達が早くなるという利点もあったのでしょう。
しかし、不公平な情報提供があるのであれば、これはインサイダーであり、
村上ファンドの「聞いちゃった」と同じ論理である。

不正の温床になりかねない公的資金投入が機能することを願うばかりである。

ただ、支援の幅が広がったということも事実であり、これによって
世界経済が最悪の事態から脱していくきっかけになる可能性も高い。

アメリカ経済の建て直しは外需主導型の日本経済の本格的な回復にとって
必須の条件であるだけに、アメリカ経済の復活の可能性が高まることは
歓迎すべきですね。