為替マーケット09年4月号 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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為替マーケット09年4月号

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やさしい経済の話し 為替マーケット

基調は円安。しかし・・・


3月の為替市場は、2月の円安方向への切り替えの流れを引き継ぎ、基調としてはドルに対してもユーロに対しても円安方向に進んだ。ドル円で、93.45 ⇒ 101.45と100円を上回ってきている。また、ユーロ円についいては、一時高値121.75円をつけたがその後は137.39円まで大幅な円安となった。月末にかけて132−3円レベルまで押している。
この背景には、ドルについては、市場予想を上回る経済指標が発表され、加えて不良債権買取や自動車業界再建についての好材料が出たことなどから株式市場が上昇、それに伴いドルが買われた構図である。

ユーロについては、経済欄で書いた中東欧の経済危機の深刻さが増しているものの、IMFの追加融資が決定されたことなどから先行きを楽観視する向きがユーロ買いに動いたことが大きな要因である。
これまで「信用不安」=「円高」という相関が見られたが、先月の前財務大臣の失態からややその相関関係が崩れ、株安の中の円安が進んでいた。しかし、基本的には信用不安が急激に増してくる段階においてはやはり円高に注意すべきである。米国経済に関する好材料がいくつも出てきているが、残る大きな問題としてビックスリーの救済策がある。これを乗り越えない限りは円高リスクが消えたことにはならない。

当面の基調としては100円を挟んだ動きで90−105円の範囲に納まるであろうが、もし、ビックスリーが破綻になった場合などは再度の円高に気をつけるべきであろう。
一方、ユーロ円については、ユーロ圏経済に対する見方がやや楽観的過ぎるような感がある。ここ1ヶ月のユーロ高については、ショートカバーを巻き込んだポジションの偏りがもたらしたユーロ高と見ることもできる。ドイツ経済の停滞や中東欧経済の危機的状況は変わらず、このままユーロ高が続くとは思えない。
そうしたことから、ユーロ円のレンジについては、120−140とやや広めのレンジを見ておく必要があるであろう。